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グレイマンシリーズ マーク・グリーニー
某大型書店で「グレイマン」の名に惹かれて手に取ってみた。
ロバート・B・パーカー/スペンサーシリーズ後半期の名著と断じる「悪党」に初演し、その後数回スペンサーと絡みあった「グレイマン」とは全く別物なのは裏表紙で判った。どちらも超一流の殺し屋/スナイパーではあるのだが、スペンサーの「グレイマン」はその印象を強くするために全身灰色/「グレイ」の風貌を作っているのに対し、グリーニーの「グレイマン」は逆に、どこに行っても周囲の群衆/風景に溶け込むという意味での「グレイ」なのである。
「グレイマン」ことコートランド・ジェントリーはとある理由(ただし本人には身に覚えがなく理由も知らない)によりCIAより「S.O.S=Shoot on sight/見つけ次第射殺」の指定を受けるいわばお尋ね者である。しかし有能であるためにミッションには事欠かず、プライベート・カンパニーや狙われているはずのCIAからの依頼を受け、日々ドンパチを続けている。
乱暴に言ってしまえば、スペンサーであったり、映画「レオン」であったり、結局、物語またはエンターテインメントになりうるのは、非情なプロフェッショナルではなく、どこか甘さを残した、人間らしさを捨てきれない者でなければならないのだろう。ジェントリーもまた、己れの甘さを罵りつつ自らを死地に赴かせてしまう。
とりあえず一作に一回死にかけるのはデフォなのだが(笑)、それはともかくとして、戦闘シーンだけでなく、その合間であってすら、スピード感とスリルが凄まじい。邦訳でもこれなのだから、原語で読めれば更に凄いのかもしれない。このスピード感に巻き込まれたが最後、読むことを中断できなくなってしまう。この感覚はちょっと他では味わえない。
しかしわしが惹かれるのは、パーカー/スペンサーとの相似性なのかもしれない。どこか甘いプロフェッショナルなところは言わずもがな、基本的にはワンマン・アーミーであるところ、協力者/サポーターが対極的に非情な男であるところ、心理学を駆使するところ.....スーザン・シルヴァマンとスーザン・ブルーアもあるし(笑)
影響/オマージュがあるのかどうかは知らないが、わしにとってはスペンサーとジェントリーはよく似た人物であるし、その物語は同じカテゴリーの中にある。パーカー亡き今、追い続けるシリーズをわしは見つけた。
2022年7月、映画版が発表された。
アクション映画としては内容、展開、映像全て十分に楽しめる。
しかし.....前述のグレイマンの特徴、〜どこに行っても周囲の群衆/風景に溶け込むという意味での「グレイ」なのである。〜は、ガン無視の方向なのは如何なものか。
フィッツロイがCIA所属なのは、まあいい。
ゴルフ・シエラ/特務愚連隊の設定変更も、まだ許せる。ザックの立場ないけど。
父親の虐待も、まあ設定変更で...納得はできんが。
ただ「GRAY」の設定が曖昧ってか不明なのは、原作のファンとしては致命的と断じざるを得ない。
タイトルが同じなだけで、まったく別物と解するしかないのだ。
「GRAY」を映像化するのは確かに難しいと思う。
それを演じる=英語や言語の訛りを表現する、のも至難の技だとは思う。
けどな〜〜〜〜(笑)
そして別作品も。
やっぱりこの人のスピード感とビジュアライズは凄いね。
あっという間に読了。
近いうちに再読しよう♪
ってグリーニーの上手いところは、SFも混じってるんだけど、
「もしかしたら実用化されてるかもしれないごく近未来にありそうなこと」を描けることなんだな。
2024.12月の最新作、「暗殺者の矜持(The chaos agent)」は「Ace Combat7」の世界観と、
完全一致と言っていいぐらいだし(笑)。
しかもバイオハザードのレオンとエイダの(まあよくある結ばれそうで結ばれない)関係性と、
コートとゾーヤの関係性は相似だし。
グリーニーがゲーマーでエースコンバットやバイオハザードをやり込んでるんじゃないかって想う(爆)。
(既刊 2024年12月現在)
暗殺者グレイマン
暗殺者の正義
暗殺者の鎮魂
暗殺者の復讐
暗殺者の反撃
暗殺者の飛躍
暗殺者の潜入
暗殺者の追跡
暗殺者の悔恨
暗殺者の献身
暗殺者の回想
暗殺者の屈辱
暗殺者の矜持
アーマード 生還不能