【 自分の考えをまとめて発表しよう 】
まとめ・表現
まとめ・表現 とは
収集、整理・分析した情報をもとに、課題を解決するための方法や、課題に対する主張を考えます。それらは明確な根拠にもとづいていなければなりません。根拠となるのは、集めた情報を整理・分析して見つけた傾向や因果関係などです。また、課題解決の方法や主張は、さまざまな角度から検討されたものであることが望まれます。
次に、課題解決の方法や主張を表現する方法を検討します。伝えたい相手や伝える場・状況を意識して、新聞、ポスター、パンフレット、レポート、スライドなど、どの発表方法を用いるかを判断します。そしてまとめたことを、プレゼンテーションやポスターセッションなどで発表します。
〈 まとめ・表現 〉で行うこと
まとめ・表現のスライドは、次のステップで進みます。
まとめ・表現のスライドは、次のステップで進みます。
1. これまでのプロセスから自身の主張とその根拠を整理する
2. 反対意見について考える
3. 資料をつくって発表する
「まとめ・表現」で行うこと
1. これまでのプロセスから自身の主張とその根拠を整理する
1-1 主張と根拠をつくろう
整理・分析した内容をもとに、ピラミッドチャートを使って「課題」と「主張」「主張の理由」、その理由を支える「根拠」を書きます。上下の構造をわかりやすくするために、線でつないでもかまいません。主張の理由や根拠は、柔軟に数を変えてください。
ピラミッドチャートの上下がきちんとつながっているか、書かれた内容をチェックすることで、主張と根拠に矛盾がないか確認することができます。
【 スライド 3 】
2. 反対意見について考える
2-1 賛成意見と反対意見を整理しよう
①バタフライチャートの胴体に1-1でピラミッドチャートに整理した「主張」を書きます。
② 1-1でピラミッドチャートに整理した「主張の理由」を「賛成」側の羽根に書きます。
③ 自分の主張にはどんな反対意見が出そうか検討し、「反対」側の羽根に書きます。
多くの人が同じように考えそうな意見や、重大だと思う意見を「強い賛成/強い反対」に書くようにしましょう。
【 スライド 4 】
2-2 反対意見に対する反論を検討しよう
反対意見に対して、どのように反論できるかを検討します。反論に説得力をもたせるために、どのような根拠(資料、データ、経験など)を示すとよいかもあわせて検討します。
【 スライド 6 】
2-3 主張と根拠を見直そう
2-2 で考えた、予想される反対意見に対する「反論」の内容を参考にして、自分の主張をより強くするためにピラミッドチャートの内容を見直し、再度書き直します。
2-2 で考えた反論と根拠の内容を「主張の理由」や「根拠」に追加することで、最初に考えたピラミッドの内容よりも、より多くの人が納得する主張になることを伝えましょう。
【 スライド 7 】
3. 資料をつくって発表する
3-1 発表資料の骨子をつくろう
発表資料やレポートの骨子を以下の観点でまとめましょう。
① 設定した課題
② 課題を設定した理由・背景
③ 情報収集の方法
④ 整理・分析方法と結果
⑤ 主張
⑥ 想定される反対意見とそれへの反論
⑦ 残された課題と今後の展望
ワークシートのスライドは骨子をつくるまでで終わりですが、骨子をもとに発表資料の作成をしましょう。どんな形式があるのかは、「発表形式一覧」を参考にしてください。
発表時は、生徒同士で相互フィードバックをすることで、発表者が気づきを得られるだけでなく、聞き手も積極的に聞く姿勢となり効果的です。
【 スライド 8 】
3-2 発表後の振り返りをしよう
最終発表のときの反応やフィードバックをもとに自分の探究を以下の観点で振り返ります。
発表を通した気づきや改善点
教科の学習や社会との関連
自分自身との関連
新たな探究課題
社会に存在する課題の多くは、何か1つを解消したらすべて解決というシンプルな構造ではないため、1つの課題に取り組むことで、また新たな課題が見えてきます。この新たな課題への出会いを繰り返し、それを1つひとつ解決していくことこそが、世の中(または暮らし)をより楽しく、社会をよりよく変えていくためのステップであることを伝えましょう。そうすることで、自分の探究を通して見えてきた疑問や使命感をもとに新たな探究課題を考えることへの意義が伝わりやすくなります。
【 スライド 10 】
発表形式一覧
1. Google サイト
子どもでも簡単に Web サイトを作成できる Google のサービスです
文字や図・写真だけでなく動画やファイルを掲載することができ、伝えられる情報の幅がぐんと広がります
サイトの背景画像やレイアウトなどを工夫し、読者を惹きつけるデザインにすることが重要です
最初は、見本サイト のデザインを参考にしながら発表内容をまとめてみましょう
【見本サイト】
2. 新聞
見出しごとに整理した情報をわかりやすく詳細に伝えることが重要です
文字に加えて、写真や表、グラフなどを組み込み、見やすいレイアウトにすることも心がけてください
【紙新聞の場合のポイント】
片方の紙面や見開き紙面で見たときの一覧性が意味をもちます。読み手が読み進めやすいよう、見出しをいれる位置や順番を工夫しましょう
【デジタル新聞の場合のポイント】
映像情報や音声情報を使うこともできます
画面の大きさが限られているため、なるべくスクロールが少なく、ひと画面で読めるように、見出しとリンクを用いて、情報をまとめていきましょう
3. パンフレット
限られたページ数の中で、読者にわかりやすいように片面、見開きの構成を考えることが大事です
どんな言葉にすると、より読者を引きつけるかを考えながら見出しを考えましょう
言葉の内容だけでなく、図表、グラフを見やすい大きさで配置したり、文字色や背景色を工夫したりするなどのデザインも考えましょう
同じ種類の情報が多い場合は、なるべく見開きで掲載し、ページをまたがないように気をつけましょう
4. レポート
文章が中心の表現形式です。必要に応じて図表や画像を挿入します
どんな人にとっても誤解のない言い回しや表現になっているか、必ず推敲しましょう
レポートの中でも論文の形式をとる場合には基本的な構成があります。自分と近い分野の先行研究の構成を参考に作成しましょう
5. スライド
1枚のスライドに情報を多く盛り込まず、写真、図表、グラフなどを効果的に使いましょう
話す会場の広さや聞き手との距離も考えて、スライドの文字の大きさなどを考えましょう
スライドの URL を聞き手に共有し、気になったところの内容についてコメントをもらえるようにしましょう
【 プレゼンテーションをする場合】
内容の重要度や難しさに応じて、話すスピード(ゆっくり、はっきり、ところによっては速く)や話し方(トーン)などを変えます
また、聞き手の様子を見ながら話すスピードや話し方を調整することも重要です。そのためにも、聞き手の目を見て話すように気をつけましょう
聞き手に質問をしたり、クイズを出したりしながら説明するような工夫ができると飽きさせない発表になります
発表者は質問について対応できるように、事前に想定質問を考え、回答を準備しておきましょう
【スクリーンキャストでプレゼンテーション動画をつくろう】
Chromebook の標準の機能で、簡単に解説動画がつくれます。録画された動画は、文字起こしが自動的にされたり、簡単に動画編集もできたりと、とても便利です。
プレゼンテーションを動画にすることで、アーカイブとして記録に残すこともできますし、その場に参加していない人も発表内容を知ることができますので、ぜひ活用してみましょう。
※同じドメイン内でのみ動画の共有が可能です。
※Chromebook にあるスクリーンキャストアプリのみで再生可能なので、他 OS 端末では、再生ができません。
詳しくは こちら
6. ポスター
伝えたいことが直感的に相手にわかるように工夫しましょう。言葉や図表、グラフを選び、大きさや背景色、文字色なども考え、レイアウトを見やすく工夫して作成することが重要です
【 口頭発表をする場合のポイント 】
ポスター発表とスライド発表のちがいは、ポスター発表の場合、これから発表する内容が最初から全て表示されていることです。今どの部分を話しているのかをゆびで指すなどして、明確にしましょう
ポスター発表の場合は、最初から聞き手が決まっておらず、参加者は自分の興味のあるポスターの前に立ち止まり発表を聞くため、発表者は積極的に参加者に声掛けをし、発表を聞いてもらうようにするといいでしょう
発表者は質問について対応できるように、事前に想定質問を考え、回答を準備しておきましょう