「対話と共生」について

活動名:対話と共生推進ネットワーク(暫定、名称検討中)

ー目的ー

「共生」をテーマとしたオンラインや対面での対話の促進を目的としています。次のような企画を実施していく予定です。

① 大阪大学を中心とした院生や学部生、卒業・修了生による対話企画

② ゲストによる講演と対話

 他の団体などとの共同企画

④ 共同研究、共著論文の執筆

➄ 共生、対話文献の読書会


これらを通して、今日の社会における様々な共生の課題について考え、実践していくための土台を作っていきたいと考えております。

ー共生とはー


「共生」は過去40年以上にわたって、様々に議論されてきました。例えば次のように語られています。


① 花崎皋平1997「共生の思想」『コンサイス20世紀思想事典 』

今日の〈共生〉の第1の課題は、多数者が少数者の文化や生活習慣を排除したり、同化吸収するのではなく、多文化主義に立脚する市民・民衆関係をつくりだすことにある。多文化主義は、先住民族の権利回復や移民など国境を超える民衆移動の増大によって必要になってきた社会統合の理念であるが、これからの〈共生〉の思想としては、さらにそれを越えて文化の相互浸透、相互影響を歓迎する倫理と思想を醸成することが求められている。(p.274


② 井上達夫・名和田是彦・桂木隆夫 1992『共生への冒険』

我々のいう共生とは、異質なものに開かれた社会的結合様式である。それは、内輪で仲よく共存共栄することではなく、生の形式を異にする人々が、自由な活動と参加の機会を相互に承認し、相互の関係を積極的に築き上げてゆけるような社会的結合である。(p.25

 

③ 大阪大学大学院人間科学研究科共生学系Webサイト

共生とは、「民族、言語、宗教、国籍、地域、ジェンダー・セクシュアリティ、世代、病気・障がい等をふくむ、さまざまな違いを有する人々が、それぞれの文化やアイデンティティの多元性を互いに認め合い、対等な関係を築きながら、ともに生きる」こと(http://www.hus.osaka-u.ac.jp/ja/graduate/304/



これらの定義や議論を参照しながら、実際の社会ではどうなのか、こうした定義で十分なのか、共生社会はどのように実現可能であるのかを対話しつつ検討していきます。


ー発足経緯ー

【経緯】

一般的に広く語られるようになった「共生」。目指すべき理念とされる一方、マジョリティによるその語の使用には胡散臭さが付きまとうという事も指摘されてきました。大阪大学人間科学研究科で新たに設立された研究分野「共生学」でも、批判的な議論が求められるはずが、現状ではどこか表面的な議論や研究、実践に終わってしまっているのではないか。そのように感じていた院生らが2020年、共著で論文「共生/共創の多角的検討」を執筆(ジャーナル『未来共創』次号掲載予定)。また、同年10月にオンライン企画「共生学は『誰』のものなのか?」を開催。ファシリテーターの方をゲストに学部生や教員を巻き込み「対等な対話」をどうやって実現するのかを考えました。その後、より積極的に企画をするべく、グループとしてウェブサイトを作成いたしました。


【発足前史】

「対話と共生」の内田、かただ、桂は2016年~2017年頃、大阪大学大学院人間科学研究科未来共創センターのスタッフとして「ランチトーク」という企画に携わっていました。ランチトークでは主に次の4つのタイプの企画を行っていました。各回の詳細は未来共創センターの年次報告書(2016、2017年)でご覧いただけます。

1.発表型:研究のアイデアや関心を発表し共有する

vol.1【自分の死を考えることで、よりよく生きる】田中 和輝 / vol.3【ゲームと教育】今村 理恵 / vol.4【形而上学と科学の関係】雪本 泰司 / vol.7【なぜ通信制・定時制課程から全日制課程へ転編入学できないのか―教育の語らない人権問題と無視されてきた選択―】片田 真之輔 / vol.8【オンラインで学習する意義、良く学ぶための方法】勝見 世界 / vol.19 【オネエタレントとはどんな人たちなのか】佐藤泉

2.対話型:テーマを基にした対話

(1)哲学カフェ形式

vol.2 【人間科学の存在意義?】/ vol.6【人間科学は誰のためになっていないのか】/ vol.13 【普通って何?】  

(2)本を持ち寄って対話

vol.10【軽食をとりながら「本」を通して横のつながりを作る昼休み】 / vol.15【言語化されない・できないことを書くための本】 / vol.18【読んで、会う。人科の先生が書いた本を紹介する回】

3.映像上映型:映像を起点とした対話

vol.9【「お笑い」で共生学!!】内田桃子:アンジャッシュのコントから「誤解」と「共生」について考える / vol.12【「ドキュメント」って何?】安藤歴:ゴダールの「映画史」の一部を観て、「何かをドキュメントにすること」について対話 / vol.16 【インターネット動画と炎上】 内田桃子:岡崎体育の「感情のピクセル」から考える

4.コラボレーション:他の団体とのコラボレーション

vol14【母/父であり、学生であるということ 】阪大で子育て中の院生ネットワーク”SWITCH (Students with Children)”とのコラボ企画 / vol.17 【エジプトでのラマダン 日本でのラマダン】Abdelrahim Elhadedy&桂悠介:大阪大学ムスリム留学生協会(OMA)とのコラボ