基本

通常の「Call of Cthulhu」に、以下の仕様が追加される

■・・・CardWirth 及び Call of Cthulhu 世界で通用しうる仕様

□・・・CardWirth世界でのみ通用する仕様 / 他世界での扱いはKP判断とする

■「冒険者レベル」システム採用

 冒険者は、固有の知名度・経験点からなる「冒険者レベル」を持つ。これは後述する「ステータス合計値」「技能値」「カードポイント」に影響する。このレベルは、実際のカードワースでの値をそのまま採用すること。

 つまり、カードワースでの成長度合いが、TRPGセッションにリンクする。

□「カード」システム採用

 冒険者はCoC世界の魔術や奥義とは異なる形態の技術をもつ。これらの「スキル」「アイテム」「召喚獣」を、各PCはカードとして設定する。各PCは職業ポイントのように、それぞれが「カードポイント」を持っており、それらを消費してカードを事前作成する。

□「行動値」システム採用

 CardWirthにおける「中毒」以外の状態異常、及びステータス上昇と下降を「行動値」で管理する。「行動値」はそのR内の行動すべての判定ダイスに影響し、マイナスならマイナスの、プラスならプラスの達成値補正となる。また、「行動値」はR頭に0にリセットされる。この「行動値」の概念はCardWirth世界でのみの採用を推奨する。

■「中毒」について

 Call of Cthulhuにおける「炎上」と同じ扱いとなる。「中毒」状態になると、「中毒」状態のチェックボックスにチェックがつく。そのまま自行動を迎えると、毒の症状が発生。1d6のダメージを負う。

 この状態は<応急手当>や[治療]キーコードのスキルによる回復行動か、1行動を使ったPOW*5(「炎上」における<幸運>)のダイスロールで症状から脱却できる。

■「手札交換」システム採用

 カードには使用回数が設定されている。その回数を超えての使用を望む場合は「手札交換」をする必要がある。「行動1」と「1MP」を使用し「手札交換」を行えば、所持カードの使用回数は基本すべてリセットされる。この行動は戦闘外でも可能で、銃火器におけるリロード行動と同義となる。MPの回復タイミングは、CoCと同義であり、睡眠等による回復が見込める。

■冒険者は、職業特記の代わりに「クーポン」を持つ

 「リーダー」「参謀」等、役割に応じて何らかのボーナスがつく。これを職業特記の代わりに一つ、採用する。

■冒険者は、固定特徴「実は生きていた」を持つ

 君たちの命を永らえさせるのに必要だ。セッションでは5Rが経過してしまうと、死亡したという扱いにさせてもらう。

■冒険者は、任意で特徴を一つ持つ

 クーポン等で賄えない部分や、個性を一つ取得できる。

□冒険者は、ショックロールが発生しない

 少なくとも、ファンタジーⅠ型ではそのような処理の前例が無い。

□戦闘においてHPはマイナス値で計上されない

 少なくともCardWirth世界の生き物からの攻撃で、HPがマイナスになることはない。Call of Cthulhuからの生き物による攻撃の場合、KP裁量を優先する。また、戦闘外での負傷が発生した場合、マイナス値が設定されることがある。目標値(マイナス値)以上の回復が行われなかった場合、対象は息絶える。

□冒険者は、自動気絶状態のまま自行動が訪れると、戦闘不能状態に移行する

 自動気絶の値になっても、倒れたRPはしなくていい。そんなことをしていたら「倒れては起き」「倒れては起き」…というRPになってしまう。(※実際のCardWirthではよくあることだが。)

□「ゲームオーバー」について

 味方のHPが全員2以下となった場合、敗北となりシナリオ終了となる。「帰らぬ人となった」としてキャラクターロストを選択するか、「汚名点4点」を被り、CardWirthで復帰するかを選択できる。仮に探索者が同様の状態となった場合、C×C上の処理ではCardWirth世界での復帰のみが認められる。

□「正気度」不要

 冒険に正気は不要である。仮にCardWirth世界でSAN0となった場合でも、シナリオの続行は可能。ただし、Call of Cthulhuの世界ではロスト処理が発生する可能性がある。

□<回避>上限75%

 LDCと同様の値とする。

■技能基本上限85%

 成長値を含めない場合、この値が上限となる。冒険者にとって、絶対成功が基本となる技能や行動を起こしたときに失敗する、という現象は違和感になり得る。この問題について解決するために、技能値は可能な限り高く取ることを推奨する。また、絶対成功系の行動であれば、カードに「集中」などのキーコードをつけ、成功率を底上げしてから振るような作りにしておくべきだろう。

 或いはこの違和感は、システムの混入による混沌の作用であり、ある意味自然なことである。C×Cの特性として、その失敗をどう汲み取るか、PCの感性を探るのも一つの探索かもしれない。

ステータスは人間なら最大21(推奨最大18)、亜人なら最大25で自由に設定

 各々の感覚に沿うように作成すること。

■職業「冒険者」or「異界の冒険者」で固定

 副業を持っていても構わないが、君たちは冒険者だからここにいる。

■冒険者は、APP&SIZを除くステータス合計値上限「80+[冒険者レベル]」

 冒険者レベルが上がった場合、好きな値を成長できる。

□比叡山奥義、CoC魔術は初期習得不可

 MPやSANを大仰に使うようなことは、していない冒険者が多いだろう。

■武器性能の回数は1で固定/武道の特殊攻撃は非採用

 連射や3点射撃等がないということ。C×Cには攻撃、会心の一撃、渾身の一撃の再現は現状無い。CoCルールを基本とし、特別な攻撃や武器はカードポイントを消費して作成すること。

召喚獣の手順は召喚者PCの手前、対象はランダム選択

 召喚獣は召喚者の手前に行動するため、召喚者のDEXに依存する。特殊なキーコードがついていない限りは、対象をランダムに選択して行動を行う。また、召喚獣の技能値は一律50%で設定される。召喚獣の行動も、行動値の上昇の影響を受ける。

キーコードの鑑定は<目星>に勝る

 CW世界上では、「キーコード」による影響のほうが探索を有利に運びやすい。例えば、普段のCoCなら、「追跡」の代用として「目星」が認められるかもしれないが、この世界では『鑑定』のキーコードを基本的に求められ、もしも目星で代用する場合は、-20~半減などのデメリットがつくことがあるだろう。よって、確実な探索を目指すのであれば、『鑑定』をはじめとした万全なキーコードを所持しておくことを推奨する。

所持spは任意or1d1000spで決定

 お金がないと苦労する場面もあるかもしれないが、それも一興だろう。また、いくら手持ちにもっていても、あなた達にはツケがある。

シナリオ中に手に入れるアイテム等について

 KP裁量でシナリオ中にアイテムを手に入れる可能性がある。このアイテムには当然CPが使用されているような効果があるかもしれないが、シナリオ中は所有CPから支払わなければならないということは無い。生還後、再びそのアイテムを所有していたい場合は、CPを支払わなければならないかもしれない。