厚みのある折紙チューブの稜線を介した結合による高剛性な展開構造
Coupled Thick-panel Origami Tubes along Creases for Stiff Deployable Structures

厚みのある折紙チューブの稜線を介した結合による高剛性な展開構造
富田直、嶋貫研人、梅本和彦、川本敦史、野村壮史、舘知宏 2023
Coupled Thick-panel Origami Tubes along Creases for Stiff Deployable Structures
Sunao Tomita, Kento Shimanuki, Kazuhiko Umemoto, Atsushi Kawamoto, Tsuyoshi Nomura, Tomohiro Tachi 2023

折紙の工学応用において、干渉を避けたり運動を保存するための厚み処理が重要です。稜線を介して厚みのある折紙チューブを結合することで、界面における局所的な鏡映対称性から折紙の運動を保存することができます。さらに、結合した折紙チューブの運動の相互作用がチューブの断面が崩れる変形を抑制し、高剛性な構造物の展開を実現します。このような性質を利用して、本作品は、スーツケースに収納した状態から3メートルを超える構造物を展開して設営されました。折紙の運動を利用して設営・収納を繰り返し行うことができます。富田直

折りたためる折紙チューブを組み合わせる際に平行移動、鏡像反転、滑り鏡像、180°回転など、組み合わせる構造同士の配置によって、物理的な特性が大きく変わります。特に、折りたたみ変形はするが、それ以外の変形に対しては剛な構造になるとき、理想的な展開構造物を構成します。さらに、大スケールの構造物にするためには厚板で構成し、その厚さを加味した設計を行うことが必要です。ここで展示されている鏡像配置の折紙チューブは、変形と剛性を両立し、かつ厚板で構成することができます。— 舘知宏

協力:豊田中央研究所Sunao Tomita, Kento Shimanuki, Kazuhiko Umemoto, Atsushi Kawamoto,Tsuyoshi Nomura,Tomohiro Tachi, (2023) "Coupled thick-panel origami tubes along creases for stiff deployable structures," Proceedings of the IASS Annual Symposium 2023

photo:Choku KIMURA