Auxetic切紙に基づく自己折り機構
Triply Periodic Surfaces of Constant Negative Curvature Constructed from One Type of Strips

Auxetic切紙に基づく自己折り機構
仙福孝太朗,舘知宏 2019
Self-folding rigid origami based on auxetic kirigami
Kotaro Sempuku, Tomohiro Tachi 2019

切れ目を入れた薄いシートに引張力を加えると、面外座屈によって凹凸が生じます。従来では面外座屈が接続部付近の材料変形で実現されていましたが、十字型パターンの切紙の接続部に回転ヒンジを予め定め、剛体折紙モデルの運動学を用いることで剛体変形として実現しました。また従来の切紙では実現できない、立体化の際に引っ張り方向に加えその直交方向にも同時に拡張するauxeticな変形をすることができます。立体形状はミウラ折りに似ているため、展開構造、サンドイッチパネルのコア材、メカニカルメタマテリアルなどに応用できると考えられます。仙福孝太朗

切紙と折紙の本質的な違いの一つが、巨視的にとらえたときの伸縮に関わるものです。紙のようなシート材料は伸び縮みしませんが、折り目パターンを施すことで、離れていた点が近づき巨視的には縮んだとみなすことができます。切込みの無い折紙はすべての点が近づくことしかできないため「縮み」のみが作れるのに対し、切込みを入れると「伸び」が作れるようになります。切込みの量や折り目のパラメータを変えると「縮み」の折紙の仲間から「伸び」の 切紙の仲間までのバリエーションを作ることができます — 舘知宏

協力:川上産業株式会社

photo:Choku KIMURA