カーフィング加工を施したCLTのトラス架構による
木質パビリオン
カーフィング加工を施したCLTのトラス架構による木質パビリオン
森桜士、稲山正弘、青木謙治 2023
Wooden Pavilion with Truss Structure of Kerfed CLT
Ohji Mori, Masahiro Inayama, Kenji Aoki 2023
カーフィング加工を施したCLTのトラス架構による木質パビリオン
森桜士、稲山正弘、青木謙治 2023
Wooden Pavilion with Truss Structure of Kerfed CLT
Ohji Mori, Masahiro Inayama, Kenji Aoki 2023
カーフィング(カーフベンディング)は切れ込みを入れることで材料の剛性を下げる木工技法のひとつです。また、CLTはラミナと呼ばれる挽き板を直交に積層した木質面材料です。本パビリオンでは、カーフィングを施したCLTによって開閉が可能で柔軟なユニットから構成されるトラス架構を作成しました。ボルトを締めることでユニットごとの開き具合を制御し、トラスの角度を微妙に変化させることも可能です。— 森桜士
カーフベンディングは精密工学の領域では、Lamina Emergent Torsion (LET) 構造とも呼ばれ、コンプライアント機構として比較的小さいスケールで用いられてきました。コンプライアント機構をスケールアップするためには、重力などの荷重に対する剛性と変形の柔軟性を両立する工夫が必要になります。ここでは、カーフィングパターンの、軸力、ねじれ、面内曲げに対する剛性は高いものの面外の曲げに対して柔らかいという性質が有用になります。 — 舘知宏
協力:一般社団法人日本CLT協会、株式会社鳥取CLT、三井ホーム株式会社、シネジック株式会社、株式会社カナイ、T-BOX 東京大学総括プロジェクト機構国 際建築教育拠点総括寄付講座 SEKISUI HOUSE - KUMA LAB コンプライアント機構:ヒンジなどのジョイントを変形可能な部材に置き換えることで、組み立てをせずに一体成型できるようにしたもの。特に、材料自体の変形は微小にとどめながら、全体構造は幾何学的な大変形をもたらす工夫がされているものは、材料が塑性変形をせず繰り返し変形が可能である。photo:Choku KIMURA