Active Textile

Active Textile — Freeform
上條陽斗、舘知宏 2023
Active Textile — Freeform
Haruto Kamijo, Tomohiro Tachi 2023

めいっぱい引っ張った伸縮性の布と格子状に切り出したプラスチックシートを接着し、それから引っ張る力を解放すると、縮もうとする布と、縮むまいとする格子の拮抗によって、周期的な起伏が生じます。起伏の大きさは切り出した格子の大きさや幅によって変化します。起伏の大きさを、格子の面内での縮小率に読み替えれば、平面のシートからの縮み具合を格子の形状によってコントロールすることで、狙った曲面に沿うテキスタイルを作れるのではないかという発想に至ります。自由な曲面に沿うテキスタイルの設計手法に関する研究プロジェクトからいくつかの実例を紹介します。— 上條陽斗

一つの四角形のユニットに着目すると、伸縮布は縮むのに外枠が長さを保とうとして自律的に鞍型に変形します。鞍型のユニットは、どちらの対角線が盛り上がるかで二種類のモードを取りえますが、隣接するユニット同士が互いに影響しあうため、すべてのモードが結晶のように揃って規則的な凹凸が現れます。本作品は面内の伸び縮みの不適合によって微少な凹凸構造を作り、その微少な凹凸構造によって大局的な伸び縮みを作り、その大局的伸び縮みの不適合で大局的な凹凸のうねりをつくる、という階層的な形状生成が行われています。 — 舘知宏

photo:Choku KIMURA