ベンドロン — 空間充填立体

ベンドロン — 空間充填立体
出口広哲 2022
Bendron — Space-filling Polyhedron
Hiroaki Deguchi 2022

厚みに違いを持たせることで、パーツ同士の接合部は互いが直角にかっちりとはめ込まれ(剛)、それ以外の部分ではしなやかにたわむ(柔)という二面性を持つパーツを考案しました。はめ込みによる接合箇所が一つのパーツと、二つのパーツの計二種類のパーツをデザインしました。はめ込みによる接合箇所が一つのパーツからなる、D-Surfaceをモチーフにした空間充填立体と、はめ込みによる接合箇所が二つのパーツからなる、菱形十二面体による空間充填立体が展示されています。
はめ込みによる接合箇所が一つのパーツは実際に手に取って製作体験することができます。— 出口広哲

2系統のパーツが提案されています。一つは辺に2枚の要素が面の方向をそろえるようにのみつなぐことができます。したがって作られる曲面は「向き付けされた多様体」に限定されます。一般に「多面体」と呼ぶれる形状はこのような系統で、多くの知育玩具のブロック（ポリドロン、ジオフィックス、Wammyなど）がこのルールに従います。 一方でもう一方の系統は風車状、レシプロカル（自己支持）状に手をつなぎあうため、一つの辺にいくつもの要素が集まることができます。したがって多面体の空間充填構造を作ってしまうこともできます。 — 舘知宏