2本の結束バンドをつなげることから始まりました。
ある時、束ねたいものの太さに対して、結束バンドの長さが足りない場合に2本を連結させて長さをまかなう方法を知り、とても感心したことを思い出しながら、手元で結束バンドをつなげて遊んでいました。
1本で輪を作るのではなく、2本、3本、4本、、、と次々に本数を増やし、一周させて輪をつくります。結束バンドの多角形の輪は、自身の弾力に抗えなくなるかのようにコンパクトに折り畳まっていきました。ひねるようにひとつの形に納まっていく折り畳まれ方は、結束バンドの本数によって、三角形になったり、四角形になったりと、数と形の結びつきについて考えることになります。— 荒牧悠
結束バンドは90度でつながるので、輪っか上に閉じたときは4本で結んだ4角形が最も安定します。n角形では外角の和がn×90°となり、nが大きくなると360°を超えていきます。例えばn=12の時、平面に収まるためには結束バンドが位置エネルギーを蓄積しながら曲がる必要があります。平面を脱して鞍型になれば曲げを解消できますが同時に結束バンドがねじれるため安定しません。さらに変形を進めていくとポテンシャルエネルギーの山を越えて再度平面に折りたたまれて安定します。この時輪っかは4角形が3周した状態になっています。なお、リングは2周(偶数周)とはならず3周(奇数周)になります。これは、2周目に戻るとき輪っかが一ひねりされるからで、3周目でそのひねりを逆向きに解消する必要があります。あらかじめ結束バンドを360度ひねってつなぐと2重のリングが作れます。— 舘知宏
photo:Choku KIMURA