引張変形可能なキリガミコア
Tensile Deformable Kirigami Core

引張変形可能なキリガミコア
安達瑛翔, 舘知宏 2023
Tensile Deformable Kirigami Core
Akito Adachi, Tomohiro Tachi 2023

双対タイリング折紙や野島・斎藤のキュービックコアのような板材として有用な折紙・切紙を簡単に折るため、天の川や投網と呼ばれる切り紙を参考に、引っ張るだけで変形する切紙であるキリガミラティスを考案しました。板材として利用したいのは上下に紙を貼り付けるのりしろがある折り方(skew型)です。しかし、折り目を付けずに引っ張るとskew型とは違う折り方(parallel型)になってしまいます。今回の展示では天の川のようなparalell型の折り方とキリガミラティスのskew型の折り方になるように折り目のつけ方をかえた二つの切紙を並べています。輪っかを引っ張って折り方の違いを観察してみてください。

天の川や投網と呼ばれる切紙(七夕飾り)は引っ張ると紙が細かく立体化されて全体がよく伸びます。この研究では、天の川を線分の折り目で折れる切り折紙にしたものと、正方形パターンに穴を規則的に並べたキュービックコア[Nojima and Saito 2006]とを同一のファミリーとしてモデル化しています。メタマテリアルとしてみたときの本質的な違いは、引っ張ったときに立体化するかどうか、さらにその立体化の折りパターンがparallel型になるかskew型になるかという点にあります。現在進行中の研究では、これらの違いが、パラメータの違いや、折り目のかたさの違いなどで引き起こされることが分かってきました。パラメータや折り目のかたさを適切に設計することで、引っ張ることでメタマテリアルとしての機能が具現化することを目指しています。安達瑛翔/舘知宏

本研究は科研費22H04954の支援を受けていますNojima and Saito, “Development of Newly Designed Ultra-Light Core Structures,” JSME International Journal, Series A, Vol. 49, No. 1, 2006

平行型
安達瑛翔、舘知宏 2023
Parallel type
Akito Adachi, Tomohiro Tachi 2023

天の川の山谷割り当てで癖を付けた切紙です。引っ張ったとき、紐のついた四角形から一つおきの四角形が同じ方向に傾いていると成功です。このとき切り抜かれた穴が平行四辺形になるのが特徴です。この折り方では、上下に紙を貼る際にのりしろがありません。安達瑛翔

ねじれ型
安達瑛翔、舘知宏 2023
Skew type
Akito Adachi, Tomohiro Tachi 2023

キュービックコアの山谷割り当てで癖を付けた切紙です。引っ張ったとき、紐のついた四角形から一つおきの四角形が傾いていないと成功です。このとき切り抜かれた穴がねじれ平行四辺形になるのが特徴です。この折り方では、上下の紙を貼るのりしろがあります。安達瑛翔

photo:Choku KIMURA