日本で暮らし、働く外国が利用できる国や自治体の制度を利用する条件とは
外国人が日本で 国や自治体の制度を利用できる条件 は主に次の3つに整理されます。
適切な在留資格を持ち、在留期間が有効であること
住民登録をしており、税金や社会保険料を納めていること
制度ごとに定められた 在留資格の範囲や滞在期間の条件を満たしていること
くらしごとDr.の「せいど窓口」は、制度調査事務所 コミットサポート
日本で暮らし、働く外国が利用できる国や自治体の制度を利用する条件とは
外国人が日本で 国や自治体の制度を利用できる条件 は主に次の3つに整理されます。
適切な在留資格を持ち、在留期間が有効であること
住民登録をしており、税金や社会保険料を納めていること
制度ごとに定められた 在留資格の範囲や滞在期間の条件を満たしていること
(1)在留資格(ビザ)が有効であること
➀不法滞在や在留期限切れの状態では制度利用不可。
②「短期滞在ビザ」など一時的な滞在は対象外のことが多い。
(2)住民登録をしていること
➀市区町村役場で住民登録をし、住民票を持っている必要がある。
②住民登録がないと国民健康保険や児童手当など自治体の制度が利用できない。
(3)社会保険・税金を納めていること
➀健康保険、年金、雇用保険などに加入していると、日本人と同じように医療や年金、失業手当が利用可能。
②税金(住民税・所得税)を納めていることが前提になる制度もある。
制度の対象かどうかは 在留資格の種類 に大きく左右されます。
(1)永住者・定住者・日本人の配偶者等
➀日本人とほぼ同じ制度が利用可能(生活保護、児童手当、住宅支援など)。
(2)就労ビザ(技術・人文知識・国際業務、技能、特定技能など)
➀雇用保険、労災保険、健康保険、年金、職業訓練など就労関連制度を利用可能。
②ただし生活保護など一部の制度は対象外。
(3)技能実習生
➀労災保険・健康保険・年金など基礎的な制度は利用可能。
②生活保護や一部の自治体独自制度は対象外。
(4)留学生
➀奨学金や教育関連の補助は利用可能。
②雇用保険や児童手当などは対象外になることが多い。
(5)短期滞在(観光・親族訪問)
➀原則としてほぼすべての国・自治体の制度は利用不可。
条件:住民登録あり、3か月以上滞在予定、就労資格あり
(2)年金(国民年金・厚生年金)
条件:20歳以上60歳未満で住民登録あり
帰国時には「脱退一時金」を申請できる(加入期間3年以上が条件)
(3)児童手当・子育て支援
条件:住民登録あり、子どもが日本国内に居住
在留資格が「永住・定住・就労可能」など安定的であること
(4)雇用保険(失業手当・職業訓練給付金)
条件:雇用保険に一定期間以上加入している
「就労可能な在留資格」であること
(5)生活保護・生活困窮者支援
条件:永住者、日本人の配偶者、定住者など
➀「長期的に日本で生活する資格」を持つ外国人
②技能実習や短期滞在などは対象外
(6)自治体の独自支援(日本語教室、多文化共生支援)
条件:その自治体に住民登録があること
在留資格の種類に関係なく利用できることが多い
日本で暮らし、働く外国が利用できる外国人でのこんな国や自治体の制度を利用できる
1.雇用・労働関連
(1)雇用保険(加入していれば日本人と同様に利用可)
➀失業給付
②教育訓練給付金(資格取得の費用補助)
③高年齢雇用継続給付
(2)労災保険
➀仕事中や通勤中の事故・病気に対する補償
(3)技能実習生・特定技能制度の支援
➀日本語教育
②生活オリエンテーション
③専用相談窓口(外国人在留支援センターFRESCなど)
2. 生活支援
(1)国民健康保険・社会保険
➀医療費3割負担(家族も加入可)
(2)国民年金・厚生年金
➀将来の年金受給権
②帰国時に「脱退一時金」として一部払い戻し可能
3.生活困窮者支援制度(在留資格によって利用可否あり)
➀住宅確保給付金(家賃補助)
②就労支援
(1)児童手当
➀中学卒業まで支給(月1万〜1万5千円/人)
②永住者・定住者・就労ビザ保持者の子も対象
③子ども医療費助成(自治体ごとに異なる)
④18歳まで医療費が無料または一部助成
(2)就学支援
➀公立学校は授業料無料
②学用品費や給食費の補助(就学援助制度)
③高校授業料無償化制度(外国籍でも条件を満たせば対象)
2.妊娠・出産関連
(1)出産育児一時金(健康保険加入者)
➀1児につき50万円支給
②出産手当金(被用者保険加入者)
③産前産後の給与補償
(2)育児休業給付金(雇用保険加入者)
➀子が1歳(最長2歳)になるまで、給与の一部を支給
3.住宅・生活関連
(1)公営住宅への入居
➀外国人も条件を満たせば申込可能
(2)地域の子育て支援(保育料軽減・一時預かり)
➀多言語対応の自治体も増加
(1)職業訓練(ハローワーク経由)
➀日本語教育、介護、ITなどの職業スキルを無料で学べる
②「職業訓練受講給付金(10万円/月+交通費)」が受けられることも
(2)教育訓練給付制度(厚労省)
➀雇用保険加入期間が一定以上あれば利用可能
②資格取得や専門学校費用の20〜70%を国が補助
③自治体の日本語教室・生活オリエンテーション
(3)国際交流協会などが主催
➀無料〜低額で日本語を学習可能
こんな在日外国人は公的制度を利用できない
公的制度を利用できないのは、住民票・在留資格・納税状況を整えていれば外国人でも利用できる制度は多い、ということになります。
➀観光ビザや90日以内の短期滞在では、公的支援や公的融資の対象外です。
※住民票の登録ができず、制度の前提条件(住民登録・納税義務)を満たさないため。
➀在留資格が失効している場合、日本の公的制度を利用することはできません。
※そもそも法的な居住者として認められていないため、行政サービスの対象外です。
➀日本に長く滞在していても、住民票を入れていないと自治体の制度(児童手当・医療助成など)は利用できません。
※公的支援の多くは「住民票ベース」で対象者を判定するためです。
➀公的融資や一部の支援金は「納税証明」「社会保険加入」が必須。
※未納状態があると「信用がない」と判断され、制度の利用が拒否されることがあります。
➀例えば「在留期間が残り1〜2か月しかない」場合は、長期支援制度や融資は対象外になります。
※安定した在留資格(永住者、定住者、日本人の配偶者、技能実習生、特定技能など)が必要です。
➀留学生や家族滞在で「働く資格がない」状態では、公的融資や起業支援の対象になりません。
※就労可能な在留資格、または起業活動が認められていることが前提です。
外国人従業員に公的制度を勧めるメリットとデメリット
すぐに転職する外国人労働者の問題の解決策としては、➀会社内に「情報提供だけ」のガイドブックを置く、②専門の外部窓口(制度調査や行政・士業)を紹介する ことでメリットを活かしつつ、デメリットを減らせます。
会社のメリット
外国人人材の定着のための協調すべきメリットを活かす
➀制度を知ることで「生活が安定」し、離職や帰国リスクを下げられる。
※例:児童手当や医療費助成を利用すれば、家族を持つ従業員の負担軽減につながる。
➀「うちの会社は公的制度の情報も教えてくれる」と社員が感じたら、会社への信頼が高まる。
※中小企業でも低コストで福利厚生を強化できる。
➀医療・生活支援制度の活用で、従業員が病気や生活不安で仕事を休むリスクを軽減。
※精神的な安心が集中力・生産性に反映されやすい。
➀外国人従業員へのサポートは「ダイバーシティ」「CSR(社会的責任)」として評価されるので、社会からの評価が高くなり、融資などの加点となります。
※採用広報で「外国人にも安心して働ける環境」と発信できる。
会社のデメリット
外国人人材の突然の離職を食い止めるために注意すべきこと
➀公的制度は複雑で、外国人従業員に説明するには 時間や専門知識 が必要。
※言語の壁があると誤解や手続きミスにつながりやすいと考えてしまう。
➀制度を勧める際に「収入」「家族構成」「在留資格」など個人情報に触れる必要があり、プライバシー配慮を欠くと「干渉しすぎ」と受け取られる可能性があります。
➀在留資格や納税状況によって「使える人/使えない人」が出てきます。
※勧めたのに対象外だった場合、不公平感や不満が生じるリスクが0(ゼロ)ではない。
勧めた制度の申請がうまくいかなかった場合、「会社が責任を取るべき」と誤解されることがあります。
※あくまで「情報提供」であることを明確にする必要がある。
⇑ くらしごとDr.の制度調査事務所 コミットサポートでは、
上記のようなご相談を承っております。