episode note4

桂由美さんを偲び 🍀 心よりご冥福をお祈りいたします。(4月26日ご逝去)

先日夜のニュースで訃報が流れた。ウエディング界を牽引されたデザイナー桂由美さん(94歳)の訃報だった。


桂由美さんとは2010年のモン・サン・ミシェルでご一緒でした。
当時80歳だったのですね。そのようなご年齢には全く見えませんでした。

広島の廿日市市とフランスのモン・サン・ミシェル姉妹都市一周年記念式典がモン・サン・ミシェルで執り行われた。私もカンナ・プロジェクトとして参加した。

当初の式次第では、1.廿日市と合併になった宮島町長代理のご子息佐々木氏、2.恋人の聖地の桂由美氏  、3、カンナプロジェクトの橘凛保となっていた

式典が始まり、桂氏の番になったところで、エリック市長が何やらフランス語で司会の方と話している。聞こえる言葉はフランス語だが「Riho」とか「Canna]とか聞こえる。「ん?」と思っていると

市長がフランス語で「平和のことが大事です。カンナ・プロジェクトRiho Tachibana 」と。
私はカンナを持って市長のところに進み出る。

その時、式次第の順番通りに並んでいらっしゃる桂由美氏の前を通ることになるのです。

恐縮しながらも桂氏の前を通るため一礼した。
その時の桂氏の微笑みが自然体でとても素敵だった。

さすがだなぁ〜と感じた。確か、この時お付きの人はいらっしゃらなかったと記憶しています。

その前の日はモン・サン・ミシェルの階段を最上階まで一緒に登った。
途中は登ったり降りたりのことこもあったように記憶している。

前夜祭の和楽器集団「AUN J オーケストラ」の公演に行くためです。
(TV中継が入り前列に後ろ姿の私も映っていた そのお隣に桂由美氏)
階段は一段の高さが高く、エレベーターは見当たらない。

私は和服に草履だったが、桂氏は厚底のサンダルでした。
さすがに「大変」と漏らされた。
私の部屋は遠かったので、一番近い部屋の人にお願いして室内に用意されていたスリッパを持ってきていただいた。
厚底のサンダルはとても危険だった。苦肉の策のスリッパを快く履いてくださった。

翌日のあの微笑み同様、お人柄がとても素敵な方でした。

そのまた翌日は第1回目のモンサンウエディングが執り行われ、私も参列することになった。


何泊かして、最後の日は、またパリに戻るのだが、そのバスが遅れて夜遅くの着となった。
夕食どきをずいぶんと過ぎていた。

私は、知人のおかげで、レストランで知人も一緒に食事の予約ができていた。
予約のない人たちもお誘いした。
なかなかこの日は予約が難しかったということがあったので、
お一人とお聞きした桂氏に

「夕食はいかがなさるのですか?」と思い切ってお尋ねした。
もしよろしければとお声をかけさせていただいた。すると
「おにぎりがあるので、お部屋で頂きます。」とおっしゃったのです。

私は、桂氏のファンになってしまいました。

その3年後、カンナでご縁をいただいている須坂市で市長のご案内をいただいて、
その須坂市の「恋人の聖地」を案内されたときは懐かしく桂由美氏に再会したように感じました。


訃報をお聞きして、なんとも言えない寂しい気持ちがしました。

心からご冥福をお祈りいたします。