出芽酵母とは?

出芽酵母とは?

出芽酵母はご存じの通り、ビールやパンを作る際に利用されており、染色体を16本持つ単細胞の真核生物です1世代約2時間と分裂速度が速く、大量培養も容易に行えます。また、出芽酵母はいち早く全ての DNA 配列が決定されたため、データベースが充実しており、遺伝学的解析、生化学的解析等様々なアプローチが容易に行えます。勿論全てではありませんが、 DNA 複製、DNA 修復、老化現象等、生物にとって重要な機能も保存されています。我々が注目している「エピジェネティクス」は出芽酵母にも存在しており、我々の解析で最も重要な出芽酵母の特徴は、芽が出て分裂するため母細胞、 娘細胞を見分けることが容易であり、世代を超えた解析に大変適している点です。また、出芽酵母は分裂を繰り返すと肥大化してくる特性があり、1度も分裂をしていない若い細胞と、分裂を繰り返し老化してきた細胞を分離することも可能です。更に、下記図のように、カルコフラワー染色をすることにより、その酵母が何回子供を生んだかも知ることも出来ます(1つ1つの輪から子供が生まれたことを表しています。図3の酵母の場合12回、娘細胞を放出しているのが分かります) 。

:カルコフラワー染色した酵母