中学校における実践研究

〇通常学級

研究の目的:教師の指導を混乱させ、困難にする生徒の行動上の問題を取り上げ、巡回相談を行った。その効果を、3つの視点から分析した。研究計画:非介入期と介入期からなる全学校規模の介入を行った。介入は、支援対象生徒の学業適応の促進を企図した。場面:公立中学校の授業場面を含む集団一斉事態とした。参加者:支援対象生徒と保護者、教師、心の教室相談員、および巡回相談員が参加した。介入は、教師に対して行われた。介入:介入期に校内研修全体会を行い、校内支援チームの組織、学級担任を含む教職員との協議、および学校全体で取り組む効果的な指導方法を確認し、校内体制の整備を進めた。行動の指標:支援対象生徒の逸脱行動と質問行動、試験席次の推移を調べ、学級担任の生徒理解の変化、および保護者との面接相談時の話題の変化を対応させた。結果:生徒の行動上の問題が改善され、学業適応が促進された。また、学業成績も向上した。この結果は、他の教科担任の授業でも維持した。結論:校内支援チームによる計画と学校長・教頭による学校環境の整備が、本実践研究を推進した。また、教育行政が研究知見を重視し、教師の指導に科学的な裏付けを与え、その指導行動に介入を始めたことは、特別支援教育を展開させる成果である。今後の研究では費用対効果比の査定も課題となることを指摘した。


キーワード:巡回相談, 全学校規模の介入, 学業適応, 校内体制, 特別支援教育