Written by Kosei Masube
1.論題の意味
コロナワクチンを強制接種する(従わない場合にsunctionを与える)
2.アイデアとスタンス
govの例を考えましょう。実はこの政策、医療従事者を対象にイタリアで実際に行われています。イタリアの場合、従わずにいると賃金が払われないようです。(25万人分の輸出用ワクチンを国内でブロックしてオーストラリアをブチギレさせたり、イタリアのコロナ政策はわりと身勝手なイメージがあります)単純にutilityを優先する非常にプラグマティックな姿勢がうかがわれますね。
oppの実例を考えると、日本の場合、某医学部生に聞いたところ医療従事者への接種がだいたい終わったようですが(2020年4月現在)、それも任意のようです。別の法学部生に聞いたところ、単純に憲法的に個人のautonomyを尊重があるので強制接種は無理では、身体って重要な法益だしとのことでした。そこで今回は過去の薬害に関する国賠訴訟のグレーゾーン救済例から拾えるロジックを拾ってきて、どうにかautonomyのプリンシプルを立てる方向で行きたいと思います。
3. Context
Govは脳死でutilityを推すことができますが、流石に副作用出たらcompensateするぐらいは言ったほうがいいと思います。oppの戦略としてそれはneutralizeしたいです。ゆえに、強制接種が行われるコンテクストを都合のいいように絞るという戦略が取れるのかなと思います。oppは以下のスタンスが想定されます。
(1)credibleなワクチンのディストリビューションが行われる場合、anyway国民は接種する
(2)credibleなワクチンを確保できる場合、国民にnudgeしてよい。かつanti-vaxの思想などをSNSからdeleteするとか
(3)ゆえに、この論題のターゲットは
ワクチン接種が宗教的にアウトな人たち
比較的incredibleなワクチンをうたなきゃいけない国の人
credibleなワクチンの条件; benefits of vaccination outweigh any risks.
benefits; high efficacy/ create enough antibody
risk; risk(e.g. blood-clotting
どのメーカーがcredibleそうなのかは各自調べてください。どうせ日本でも接種が始まり、自分が接種する主体になるのでその時に役立つはずです。
4. Gov
功利主義しか勝たん。
接種すると感染時の入院/死亡リスクが下がる
自分が入院しないことで他者危害(e.g. 病床がいっぱいで断られて死ぬ)を防止
接種率が一定を超えることにコミットすれば感染者数をそもそも減らせる
変異リスクの低減にもコミットできる
以上のことをexampleマシマシで証明しましょう
(2) なぜ強制してもいいのか
(A)J.S.ミルの他者危害原則を用いて証明しましょう
他人に危害を加える行為は禁止することが許される
ワクチンの未接種は他人に危害を加える行為
適当なアナロジー
(B)功利主義の帰結主義と総和主義の原則に基づくと
帰結:新規感染や死亡の防止:善
総和:数の減少:善
5. Opp
正直oppの方が楽しいと思います。戦略的にやらないと勝てないので。戦略としては自分が思いつく範囲だと以下の3つ。(排反ではない)
(1)コンテクストをインドトルコその他質の高いワクチンを確保するpolitical resourceを持ってない国に絞ってutilityで薬害がヤバいことのlilelyhoodを出してゴリ押しする
完全にIRになるので、contextualizeの方法は省略
(2)religious minorityを守る
religious motionになるので(ry
(3)utilityについては水かけにしといて、principleで抜く
薬害
政府からしてみたら特定の個人に薬害が起こるかは予見できない
irreversible!
個人に判断が任されていたほうがいい(自分のことはよく知っているので)
credibleでないワクチンを大規模に打ったらヤバいっしょ
義務論
この論題は医療論題なので、医療倫理において自明とされているprincipleを持ち出してrelevancyを出すことができると思います。
患者のautonomy
→拒否権の否認
well-informed
ワクチンの接種はわりと機械的にやるので、いちいち個人の詳細な健康リスクを把握し伝え、十分な意思確認のもと行われているとは考えづらいです。むしろ各人に情報収集が一任されているのが現状。
人を殺してはいけない
incredibleなワクチンを打つ場合
適法性(legalitat) より抽象的な権利や理性概念について話したい場合はこちら。
a.理性的存在者である人間を道具的に(means or mere means)扱ってはならない
a2.個人は社会に先立って存在し、かつ理性的存在者である
b. 拒否権の存在しないワクチン接種は公衆衛生という目的の為に理性の発揮(≒autonomy)を妨げている
c. 例えばWLDに置いては良心的兵役拒否が権利として認められている
2a-bについて
血液製剤により感染したC型肝炎の国賠訴訟が最近福岡高裁に差し戻しになりましたが、そこで争点になってたのが(法学徒じゃないので適当なこと言いますが)非予見性だったと思います。大量出血時の製剤投与は当時は政策的に正当化されていた、すなわち拒否権が原理的に存在しえないかつ、訴訟段階においても患者側に感染リスクや潜伏期間についての知識があることをassumeしない、ということは国にある程度薬害について(たとえ報告されていなかったとしても)予見性や事前に健康リスクが存在することの把握を求めるということと論理的に表裏一体だと思うので、これは結構使えるロジックなのかなと思います。
2020年に書いた古い記事を引っ張り出してきました。もうヨーロッパではコロナ終わったことになってますし、そのうち息をひそめていく論題だと思います。