展覧会情報
裂島
2024年6月22日〜7月7日
参加作家
坂下 剣盟 、岡田 竜之助 、清水 恵人、水野 幸司、朝倉 市、小野 まりえ、葉子、 中田 耀満
スケジュール
開催期間 : 2024年6月22日〜7月7日
時間 : 13:00- 19:00
※6月30日 15:00まで
※最終日7月7日17:00まで
休館日 : 月曜日
クロージングパーティ
7月7日 18:00- (入場料:500円)
入館料 無料
“Rettō”
Dates: Saturday, June 22 - Sunday, July 7
Hours: 1:00 PM - 7:00 PM
June 30 until 3:00 PM
July 7 until 5:00 PM
Venue: AVA (2-6-12 Ikenohata, Taito-ku, Tokyo)
Access: 2-minute walk from Nezu Station
Admission: Free
▼Exhibiting Artists
Kenmei Sakashta, Ryunosuke Okada, Keito Shimizu, Marie Ono, Ichi Asakura, Koji Mizuno, Yoko, Terumitsu Nakata
A group exhibition by AVA operating members will be held. Everyone is welcome to attend.
この度、AVAでは展覧会「裂島」を開催いたします。
AVAは美術大学に在籍する学生を中心として2023年5月に設立したスペースです。「Contemporary art(現代術)」を語源に遡り、「com(一緒に、共に)」「temporarius(時間の)」「ars(技術、芸術)」に解体し「世界全体が同じ時間を共有する時代の問題について技術=芸術とは何か」という問いから芸術の研究と実践を行ってきました。
今回の展覧会「裂島」はAVAで初めてとなるメンバー全員が参加する展覧会です。「裂島」において、私たちはイメージや意味の新しい発生装置を絵画、インスタレーション、映像などさまざまなメディアにおいて制作します。
文字が古代世界で発生した時、それを見出した者はシャーマンとなり、大きな共同体を形作りました。彼らは亀の甲羅の亀裂、地面についた動物の足跡、洞窟のひび割れから、寓意としての神のメッセージを受け取ったのです。
そこにあったのはただのしるし、亀裂でした。人類は意味やイメージを、世界に単に存在していたしるしによって意味があるに違いないものとして認知させられ、同時に神の存在を生み出したのです。意味やイメージは私たちが意識的に生み出すものではなく、社会や自然に潜在している下部構造の兆候としての痕跡から導かれるのです。
ここで重要なのは、それが今日の社会を構成する権力の問題や、戦争、自然災害についての問題とも密接に関わっているということです。本展覧会では、自然災害と人為的災害を不可分なものであり、世界の下部構造の露出する契機として捉え、ここから世界を新しく作り替えることを実践します。
【ステートメント】
世界は初め一つであったという。
それを「盤古大陸」という。
やがて「盤古大陸」は地殻の運動によって引き裂かれ、幾つかの大陸と無数の島が生まれた。今日に至るまで地殻運動は続いている。土地一空間は動き続けている。世界がなぜ「一」ではなく「多」なのか。世界が「一」であれば、虐殺される人も、探取される人もいないのに。世の中の悪いことは「多」であるから引き起こされるのだという考えは少なくとも2300年以上も昔にプラトンという古代ギリシアの哲学者が言っている。私たちの「一」をめぐる思考はそこから今なお続いている。みんなが互いを慈しみ思いやり、
争いも憎しみもない世界。
そういう非在郷をこの世界に作ろうとすることが、ことごとく凄惨な暴力として
あらわれることは歴史を見れば明らかだ。
この世界は「一」つにならず混沌としており、混沌化していくことだけが私たちに等しく働く力だ。「一」つの大陸が分化し「多」数の島ができた。そこではあらゆるものかつてあった名前を失い、漂着し、またどこかへ行く。そのような漂着物の往来と合成によって島はできる。だから島は本来的に無国籍的であり、「一」つの島でありながら、そのうちに「多」を有している。「一」つでありながら「多」である。
「多」でありながら「一」である。
そのような漂流物としての制作物を、裂けた島としての空間を、ここに顕す。
東京メトロ千代田線根津駅2番出口より徒歩5分
東京メトロ南北線東大前駅1番出口より徒歩13分
JR東日本上野駅不忍口より徒歩15分