2024危機管理産業展（RISCON）セミナー報告

2024年10月9日東京ビッグサイトにて行われていた危機管理産業展（RISCON）にてASISセミナーを開催しました。今回は日本カウンターインテリジェンス協会（JCIA）から稲村悠代表理事をお招きし「企業における諜報対策～産業スパイから会社を守るために～」について基調講演とディスカッションを交える形式で実施しました。

名実ともに日本最大級のセキュリティ見本市であるRISCONでは自社の商品やサービスのPRを中心としたセミナーが多く開催されます。そんな中、グローバル企業では広く取り組まれているにも関わらず、日本企業では大企業ですら取り組みがなされていない、あるいは遅れているテーマを取り上げるASISのセミナーは毎年好評をいただいております。近年徐々に注目が集まってきている「経済安全保障」にも関連する企業の防諜対策について、最先端の知見を持つ稲村氏の講演では国家の意思によるスパイと個人的動機に基づく情報取得行為を区分すること、また実際に発生した様々な手口や対策事例を紹介いただきました。

後半のディスカッションパートでは、グローバル企業と日本企業のセキュリティ対策の意識の違い、特に日本企業が立ち遅れている部分について活発な意見が交わされています。また、質疑応答では組織内で危機意識を高めるための方法や、具体的な対策の優先順位のつけ方、そしてセキュリティ対策を企業の文化として位置付ける必要性などについて会場の皆様も交えながらお話させていただきました。

今回は96席の設定に対し、120名以上の方の参加者登録、実参加者数も100名を超え、立ち見が出るほどの熱気にあふれたセミナーでした。稲村氏の講演中はもちろん、ディスカッションや質疑応答中にも大きくうなずきながら、あるいはメモを取りながら聞いていただいた方も多くいらっしゃったのが印象的でした。多くの方に学び/気づき、そして自社の危機管理体制見直しのヒントを持ち帰っていただけていれば光栄です。国内の危機管理見本市はもちろんのこと、ASISと各種セキュリティサービス・製品提供者との共催セミナーなども検討中です。ぜひ今後のセミナーにもご期待ください。