2021 日経メッセセミナー報告

「多元化する危機管理」

2021年3月9日~12日まで、東京ビッグサイト南展示場にて日経新聞社主催の「日経メッセ セキュリティショー2021」が開催されました。セキュリティ関係の見本市・展示会としては日本最大級のイベントの一つ。

 

昨年は新型コロナウイルス感染症に伴う緊急事態宣言発令直後だったこともあり、中止となりましたので、今年は2年ぶりの開催。本年も緊急事態宣言中ではありましたが、感染防止策をしっかりと講じた上でブース展示や講演・セミナーが行われました。

これまで、日本企業は海外での事業展開においてテロや感染症といった非常事態が発生した際に

 

 外務省が何とかしてくれるのでは?

 セキュリティ会社に委託しているので大丈夫

 海外旅行保険でカバーされるはず

 

という考え方で対処してきた企業も多かったように思います。他方で、新型コロナウイルス感染症のように広範囲に影響が及び、同時並行で対応しなければならない場合、まして飛行機での移動が思うようにできない事例も実際に発生しているのは皆さんもご承知の通り。この場合、外部に完全に任せるのではなく、自社の従業員/関係者を守るために雇用者である各企業が予防策・被害軽減策・退避支援などを行わなければならないのは明白です(雇用者による「安全配慮義務」)。

 

見落としていた/過小評価していたリスクにも備えが必要な時代背景、そして新型コロナウイルス感染症への緊急事態対応を経て、今こそ各企業の内部で「生き残るためのリスク対応力」を磨く必要があるのではないでしょうか?