設立した理由
設立した理由
あーもは、次女との生活の中での思いを基に夫婦で立ち上げた事業所です。
2013 年に生まれた次女が「第1染色体長腕部分トリソミーモザイク」という世界的にも稀な染色体異常をもった「医療的ケアが必要な重症心身障がい児」でした。
①軟口蓋裂による哺乳困難、②小顎症と下顎後退による呼吸困難、③誤嚥性肺炎、④両耳感音性難聴で補聴器使用、⑤低緊張で未定頸、⑥手足の奇形で装具使用、⑦左肺横隔膜ヘルニア、⑧喉頭軟化症、⑨左卵巣膿胞、⑩脳梁低形成・・・等々たくさんの合併症をもっていました。
最初は経口摂取していましたが、誤嚥性肺炎を繰り返した為、経鼻チューブを使用し、後に胃瘻を増設しました。また、口鼻からの喀痰吸引のみでは不十分で、後に喉頭気管分離術を受けました。夜間の酸素投与も必要でした。
体調を崩しやすいこと、当時の保育園は医療的ケア児の受け入れは困難であったことから次女は保育園には入園できず、母は復職を断念しました。毎日の医療的ケア、頻回の体調不良による入院付き添い、複数の診療科への受診・リハビリ・母子通園での療育に追われ、家でもリハビリの復習と、疲労困憊でした。次女の体調次第でコロコロ変わる生活で、長女にも精神的負担をかけました。
そんな生活の中で重症心身障がい児専用の児童発達支援事業所・放課後等デイサービスに出会いました。母子分離で通所できること、看護師に医療的ケアを実施してもらえることがどれだけ安心でありがたかったか、言葉では言い表せないほどです。
2015年10月に気管カニューレの抜去により次女が2歳3か月で急逝した後、「医療的ケアが必要な重症心身障がい児も安心して通える場が必要だから、その仕事に携わりたい」と夫婦揃って転職しました。医療法人社団タブセクリニックの田伏順三先生が運営されていた「児童デイサービス メルモ・シオン」で児童発達支援管理責任者・保育士として経験を積んだ後、2020 年1月に「旭care 合同会社 あーも」を立ち上げました。
立ち上げにあたっては、田伏先生にご快諾いただき、シオンの事業を譲渡、あーもの嘱託医に就任と全面的にバックアップしていただきました。療育スタッフの皆さんも、シオンからあーもへと移籍してくださったり、看護師の方々は転職してあーもの立ち上げに加わってくださいました。利用者のみなさんも、全員があーもと契約してくださり、サービス提供時間の前倒し等にもご協力くださいました。
あーもに関わってくださった全ての皆さまのお陰で、開設直後のコロナ禍も乗り越え、現在まで営業を続けることができています。この場を借りて厚く御礼申し上げます。(内藤康志・まゆ美)