新着情報


2023/11/1 当センターのメンバーが参画するNEDO戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期/バーチャルエコノミー拡大に向けた基盤技術・ルールの整備「デジタルハプティクス&エクスペリエンス経済圏拡大のための基盤技術開発」が採択されました。

2023/7/25 ジョージア工科大学・上田淳教授による、留学セミナー「キャリア形成における選択肢としてのアメリカ大学進学:米国市場で求められている人材像から最新大学進学事情まで 」を開催しました(pdf)。 

2023/5/1 当センターが、日本VR学会人間拡張研究委員会が主催する人間拡張ワークショップ2023の開催に協力しています。

2023/4/3 センター長の栗田教授が、広島大学発ベンチャー 株式会社ヒューマンモデル を設立しました。

2022/7/6 [身体換装研究会]:科学研究費補助金挑戦的研究(開拓)に「運動感覚改変による着身体・脱身体現象の誘発とリハビリ応用」のテーマが採択されました。

2022/4/13 人体モデルを用いた筋活性度推定と力覚介入によるオンライン運動感覚伝送プロジェクトのサイトを公開しました。また、科学研究費補助金基盤研究(B)に「人体モデルを用いた筋活性度推定と力覚介入によるオンライン運動感覚伝送」のテーマが採択されました。

2022/3/1 人間拡張実装センターのロゴを更新しました.説明はこちらをご覧ください。

2022/1/22 オンライン公開講座「デジタル時代の脳・身体・感性、そして人間拡張へ」を開講しました(2021/1/22 & 29)

2021/12/16 英語版のウェブサイトを公開しました。

2021/11/9 スマートコーチングプロジェクトのページを追加しました。

2021/9/1 身体換装研究会,触感デジタルデザイン研究会のページを追加しました。

2021/6/1 人間拡張実装プロジェクト研究センターを開設しました。


人間拡張とは

人間拡張学は足りない能力を補う補完・補綴や今持つ能力の維持のみならず,その人が持つ能力をテクノロジーによる支援で強化・増進・拡張することを目的とした学術研究分野です。人間拡張の概念自体は、望遠鏡や顕微鏡が発明された時代から存在していますが、バーチャルリアリティ、エグゾスケルトン、テレイグジスタンス、ウェアラブルセンシング、ブレインインタフェースなどの技術を用いて、人の身体、存在、感覚、認知に関する能力の拡張を目指す取り組みがされるようになっています。たとえば、遠隔操作システムは、宇宙作業や侵襲外科手術用途として研究開発の域を超えて実用のフェーズにあるほか、危険な区域に人を立ち入らせず作業したり、遠隔で接客できる遠隔操縦システムにも大幅な進歩が見られます。さらには、ロボットアームやロボット義手の技術により第三の腕、第六の指などを装着し、元の身体が有していなかった機能を追加しようとする研究も進んでおり、近い将来には身体機能を意図的にかつ手軽に脱着することも夢物語ではありません。一方で、これらの技術はユーザ自身のみならず、その周りへも大きな影響を及ぼすことが予想されます。新しい能力を得ること、またそれを得ようとする行動が、周囲の環境や本人のこころにどのような変容を与えるのか検討することも、非常に重要です。

センターのミッション

人間を拡張する機械やアプリに期待されるサービスは、人単体の運動、感覚、認知能力の拡張や、道具や機械を使うスキル、作業パフォーマンスの拡張にとどまらず、より長期的な人と人,人と道具との関係性の理解にもとづくコミュニケーション、教育、トレーニング、医療・介護への展開も含まれます。人間拡張実装プロジェクト研究センターは、人のもつ感覚運動特性の理解・モデル化・応用に関する研究シーズをベースとした生活の利便性を向上するサポートシステムの開発にくわえ、人と人のこころ豊かな繋がりを育む社会システムをカバーする人間拡張技術の開発と展開を目指しており、これを他大学、企業、自治体等と連携して社会実装することをミッションとしています。

デジタルハプティクス&エクスペリエンス経済圏拡大のための基盤技術開発

プロジェクト

ユニバース領域とメタバース領域のコミュニケーションを円滑・効率化したインターバースにおける、触感や運動感覚を活用したデジタルハプティクス市場は、現状ニッチな市場であるものの、将来は超巨大市場に変貌する可能性があります。デジタルハプティクスで日本がタッチポイントをとれば、市場の風景は一変し、触体験のあるユニバースと顧客提案に優れたメタバースの両者の強みを併せ持ったデジタルハプティクスによるインターバース市場を誕生させることができます。そこで、ユニバースとメタバースの価値を接続するための「デジタルハプティクス&エクスペリエンス基盤技術」の研究開発を行い、触覚や運動覚を含めたハプティクス体験ができるプラットフォームを整備してデジタルデータと物理製品をつなげるスキームを創出し、インターバースを活用したプロダクト開発・ヘルスケア支援・体験伝送サービスの事業開発に挑むとともに、デジタルハプティクスに関する人材育成ならびに標準化・ELSIの検討を行います。

(2023~2025年度NEDO委託事業) 。

健康長寿を楽しむスマートソサエティに貢献する

スマートコーチングプロジェクト

我が国における平均寿命は約85歳と言われており,2030年には人口の40%が高齢者になると推定されています。一人で自立して生活ができる指標である健康寿命との差は約10年あり,多くの高齢者がその10年間は何らかの介助が必要になります。このような身体機能の低下に対して,医療機関でのリハビリ治療終了後は,自己で運動習慣や効率性の高いトレーニングを継続する必要がありますが,在宅で主体性を持ってトレーニングすることは簡単なことではありません。また地理的・身体的要因により病院へ物理的に通うことが困難なケースも増えています。そこで医療従事者や患者に負担をかけないステルスセンシング,身体スキル把握に基づくトレーニング難易度の自動調整,ソフトアクチュエータを用いたデータ駆動型リハビリ支援機器の開発を通じて,AI技術を活用した健康長寿を楽しむスマートソサエティの実現に取り組んでいます(2018~2022年度NEDO委託事業) 。

身体換装研究会

身体認知システム変容の本質を科学するためには、身体図式変容と身体イメージ変容を意図的に起こす技術開発、身体図式・身体イメージの意識レベル(前意識/意識)を評価する技術開発、身体換装が脳に与える影響とそのメカニズムの解明を通じて、身体図式と身体イメージのギャップを制御する方法論の構築にいたる新領域の創出が必要です。我々はこれを「身体換装学」と命名して、身体性を中和する工学的インタフェースデザイン、身体イメージ変容によるリハビリ応用検証、身体的自己意識を操作しその意識レベルを評価する技術の開発、身体換装に関する脳内ネットワーク間の因果的関連性に関わる理論構築に挑んでいます。また感性的な評価を対象とする心理学や認知神経科学領域と、実証を対象とする医学・工学領域の産学連携研究と綿密に連携することで、循環型の実用認知医工学へ発展させることを目指しています。

触感デジタルデザイン研究会

物体表面に施すテクスチャにより、物の表面の質感や手触りのクオリティを高めることができます。適切なテクスチャの デザインにより、持ちやすさや滑りやすさのコントロールなどの機能的側面に加えて 、にぎった時の質感など感性的側面 の付与も期待できます。withコロナ社会においては、物理的試作のコストが上昇しており、コストを最低限にするためのデジタルツールへのニーズがテクスチャデザインにおいても高まっています。本活動では、人の触感覚の機序の理解、触感覚の定量評価技術の開発、そして触感のデジタルデザインを支援するツールの開発に取り組むとともに、触感デジタルデザインの普及と実践に取り組んでいます。


人体モデルを用いた筋活性度推定と力覚介入による

オンライン運動感覚伝送プロジェクト

視覚や聴覚に関する情報伝達技術は完成度が高まっている一方で、身体運動に伴う感覚を伝送する技術は未熟な点も多いのが現状です。我々は、「筋骨格系の個人差を考慮した情報伝達が、運動感覚の伝達の質を高める」という仮説をたて、筋活性度の伝達と力覚提示デバイスを利用した運動のアシストまたはレジスト技術の構築、無線運動計測と全身筋骨格モデルによるリアルタイム筋活性度推定、ならびに力覚フィードバック技術をシームレスに統合した、オンライン運動感覚伝送システムの開発を目指した研究開発を行っています。


感性実装ラボ

感性によるものづくりは,人にとっての意味的価値の創出につながります。顧客価値は,総合的価値=機能的価値+意味的価値で構成されるともいわれます。人は自分の過去の経験と学習に基づいて自分の中で構築された「感性のモデル」をもち,いろいろなものからいくつかを選択をするとき,無意識的にこの感性モデルを参照して自分に合ったものを選んでいます。人の感性は100人100通りですが,無意識の知覚の可視化と感性の理解により,いくつかに類型化することは可能です。個々の人が持っている感性のモデルを呼び起こすことで,琴線に触れるものづくりが可能になるはずです。我々は,サイエンスから社会実装まで横断した感性の理解,知覚の可視化,実践を一貫して行うためには,感性研究とその社会実装をつなぐインタープリターが必要であると考え,その意見交換・集約の場である『感性実装ラボ』を発足しました。地域内外の企業の皆様とのコラボレーションにより,感性によるものづくり,意味的価値を創出することを目指します。

センター長
栗田雄一

広島大学大学院先進理工系科学研究科・教授

センターメンバー



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