ワークショップ
作業療法に手間をかける
〜道具操作の再考〜
作業療法に手間をかける
〜道具操作の再考〜
講師 相宗 大介
2007年 医療法人清水会
鶴見緑地病院
2013年 医療法人社団洛和会
洛和会音羽病院
2015年 医療法人社団洛和会
洛和会音羽リハビリテーション病院
2016年 公立南丹病院
(現:京都中部総合医療センター)
講師 秋田 翔大郎
2010年 医療法人財団 医道会
十条リハビリテーション病院
(現:十条武田リハビリテーション病院)
2021年 一般社団法人
回復期リハビリテーション病棟協会
認定セラピストマネジャー取得
2023年 日本福祉大学 福祉経営学部
医療・福祉マネジメント学科在籍
ワークショップの趣旨🖍️
自分たちが普段使用している治療道具の特性を私たちは一体どれだけ深く知り扱えているでしょうか?
本ワークショップの目的は、学生時代に行った課題分析をさらに一歩深堀りし、
実技を通して明日の治療場面で扱える技能を体得することにあります。
ワークショップの開催意義🖍️
作業療法場面において道具操作を考える際に色々な考え方があります。例えば対象者が行ってほしい動作に着目する仕方で、上肢挙上を行ってほしいから輪入れをするといった場合です。この場合は上肢挙上が目的なので特段輪入れに固執する必要はありません。他方でその道具操作に必要な様々な要素を加味した上で、その課題遂行そのものに着目するという考え方もあります。輪を入れる動作は、対象者に注意力と空間把握能力や、リーチに伴う体幹の安定性を求めます。輪を入れることを達成できるということの背景に着目するという考え方です。
画家が表現のために筆を変えるように、料理人が食材によって包丁を変えるように、作業活動を治療に用いるプロフェッショナルとして私たちは対象者に提供する道具の特性を知っていなければなりません。本ワークショップの目的は、今一度立ち止まって自分たちが使っている治療手段を考え、そしてどうすればその道具の特性を活かしつつ対象者の潜在能力を発揮できるかを、実技を通して実感して頂くことにあります。
提示させて頂く道具はどこの作業療法室にもあるであろう道具を選びました。一つは新聞紙、もう一つは積み木です。これらの道具の特性は何か、使用前後で対象者がどう変わるのかといったことを提示する予定です。前半を講義、後半を道具操作のデモンストレーション、実技練習という構成で行います。ZOOMで参加される方は是非これらの道具を準備し体験を共有して頂けると幸いです。
人類が道具を使用してから約330万年。たとえ病気を患ったとしても脈々と受け継がれてきた道具操作能力は、そう易々とはなくなりません。作業を介したリハビリを行う者として自信を持って道具を提供したい、OTは遊んでいると言われたときにやんわりとしかしはっきりと目的と意図を説明できるようにしたい、そういった志を持ちたい、新しい扉を開きたいと思っている方々、日々の業務で忙しい中ではありますが、道具操作について是非一緒に少し手間をかけて再考してみませんか?