学会長挨拶


第34回青森県作業療法学会

佐藤 彰博

弘前医療福祉大学 保健学部 医療技術学科 作業療法学専攻 教授

この度、第34回青森県作業療法学会を2023年5月27日(土)から28日(日)の2日間、弘前市にあります学校法人弘前城東学園弘前医療福祉大学において開催させていただくこととなりました。本学会では講演や演題発表を通した学術情報の交換による作業療法士としての知識と臨床推論技能の向上、ミニ・シンポジウムでの意見交換による作業療法士間あるいは施設間における新たなつながりや関係の再構築を目的として開催いたします。そして、様々なものがつながることで、作業療法対象者に対するより良い医療提供へとつながることを期待しております。

第34回学会のテーマは、“つなぐ”とさせていただきました。ご承知のように2019年の終わりに発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は瞬く間に世界中に拡大し、2020年1月には日本で初めての感染者が確認されました。そして、同年4月7日には大都市を中心に緊急事態宣言が発令され、青森県も同年4月16日に対象区域となりました。COVID-19の感染拡大によって私達の生活は一変し、3つの密の防止・マスク着用・手指アルコール消毒は日常となりました。そして、これまで活発に行われていた学会や研修会の多くが中止あるいはオンラインでの開催となり、会員同士の交流、同僚や友人との会食もなくなりました。その結果、人と人との関係をはじめ、様々な関係が希薄になったように感じたのは私ひとりではないと思います。そこで、今回の学会テーマの決定にあたっては、実行委員会で議論を重ね、希薄になった関係を修復したり、新たな関係を構築したりすることを願って “つなぐ”とすることにいたしました。

学会企画は“つなぐ”をテーマとして,教育講演、ミニ・シンポジウム、学会長講演の準備を進めています。教育講演では、別領域と捉えられがちな「中枢疾患領域と手外科疾患領域」の接点について慶應義塾大学病院の阿部薫OTRにご講演いただきます。ミニ・シンポジウムでは、「認知症と地域」「精神疾患当事者とセラピスト」「頚髄損傷者と就労」「施設と施設」の4つをテーマとして、患者様や県内の作業療法士にシンポジストをお引き受けいただきました。また、学会長講演では、「臨床と研究」を“つなぐ”ための考え方を自身の経験を基にお話しさせていただく予定です。一般演題では、学会長賞も選出させていただくことにしました。

青森県作業療法学会としては2019年5月の第32回むつ学会以来、4年ぶりの対面での開催(ライブ配信併用)となります。多くの方にご参加いただき、これまで会えなかった友人、お世話になった方、新しい出会いを“つなぐ”機会になれば幸いに存じます。実行委員一同、弘前でお待ちしております。


2023年2月吉日

第34回青森県作業療法学会