【最優秀賞】

 山本みづき

■学校名

帯広畜産大学

■代表者名

山本みづき (4年)

■他メンバー

なし

■担当教員(指導者) 

なし

馬沓の歴史と今、これから

■作品概要

私の故郷で歴史あるものと言えば、真っ先に浮かぶのが伊勢神宮。どうも昔は伊勢神宮へ参拝するために徒歩や馬を使って各地から参拝客がやってきていたらしい。しかし、現在三重県で馬の姿を見ることはほとんどない。昔の景色を知りたくて調べた歌川広重の東海道五十三次には馬と旅する人々の姿が散見された。しかし、不思議なことにそこに描かれる馬たちはわらじのようなものを履いていた。その正体は馬沓(馬わらじ、馬わら靴)であった。

馬沓と呼ばれる道具を軸として、馬の蹄や蹄鉄について、また何故日本では馬沓が生まれたか等歴史を交えてまとめていく。

また、実際に馬沓の編み方を知りたいと思う契機があった。編み方を調べ、材料を現代版にアレンジして製作を行った。その編み方と本来の馬沓との比較及び評価を行い、今後の馬沓の活用について考えた。


■探究の動機や目的

お伊勢参りや歌川広重の絵は以前より興味があり知っていた。しかし、地元のお土産の名前の由来が馬と伊勢参りにあることを知り、改めて調べたところ、目についた道具があった。その道具について調べることで、馬の歴史への関心が広まり、知識が深まった。

また、実際に材料を現代版にして作製することで、昔の道具をまた新たな方法で活用できる可能性を提示できると考えた。

地元の小さな発見から、面白い馬知識を発掘することを目的とし、探求を行った。


■探究の方法や内容

絵画から昔の風景を観察し、興味を持ったポイントをまとめた。

大学で得た知識や、書籍などから関連した情報をまとめた。

今まで訪れたことのある博物館の展示資料や文献から、馬沓という道具やそれに用途が類似した道具について調査し、まとめた。また、取り寄せた資料を参考に、不明な部分は試行錯誤し、馬沓の作製を行い、実際に馬に履かせてみて様子を観察した。


■感想と今後の課題

地元には馬の文化はほとんど残っておらず、それほど馬とゆかりはないと思っていたが、いつも買うおいしいお菓子の名前の由来を知って調べたところ、話題が広がり驚いた。小さなことでも特定のポイントについて注目し、探求を行うとより深く広く知るきっかけになった。

課題としては、今回作製した馬沓は伝統にまったくその通り則った方法で編んでいない点が挙げられる。実際に編める人に学ぶ機会があれば是非習得したい。こうした歴史や伝統としてわずかに残っている道具や技術が、現代に別の活用方法として利用できる例は他にもあると考えられるため、まだまだ学ぶことは多いと感じる。

応募作品