【特別賞(十和田流鏑馬観光連盟賞)】

宮本汐里

■学校名

日本獣医生命科学大学

■代表者名

宮本汐里 (6年)

■他メンバー

なし

■担当教員(指導者) 

なし

学生の声から考える「馬の今と未来」

~都内獣医大学での調査結果と馬の学習機会の考察~

■作品概要

本作品は、日本獣医生命科学大学に通う動物に関する全学科・全学年の学生を対象に調査を行い、その結果から馬の現在の課題と、未来について考察を行ったものである。調査結果から主に

①馬は大動物・畜産動物の中で特に学生の関心を集めている動物であること

②馬に関心があり馬に関する仕事につきたいが、馬への学習機会の不足から積極的になれない学生がいること

③現状の馬についての課題として、学生の間でアニマルウェルフェアに関する事柄が注目されていること

が明らかになった。

この結果から、③のアニマルウェルフェアに関する事柄に課題意識を向け解決策を講じることで、人間社会の中での馬の重要性を高め、馬に関する教育機会の見直しに繋がり、将来的に②の課題を改善することにつながるのではないかと考察した。


■探究の動機や目的

著者は、都内の私立獣医大学である日本獣医生命科学大学の獣医学生として過ごす中で、馬に関する進路を考える知人が非常に少ないこと、そして獣医学教育カリキュラムの馬に関する学習機会の不足を感じ、学習機会と希望進路の関連性に興味を持った。また、馬に関心がありながらも、学習機会の不足等を理由に、馬に関する進路を選択しない学生がいるのではないかと考えた。

そこで、獣医学科、獣医保健看護学科、食品科学科、動物科学科を持ち、動物に関する学科を広く備える日獣大で、学生の馬への興味や馬関連での就職意思、学生自身が馬に関して課題と感じる事柄について調べ、学生の馬への意識を明らかにすることで、馬に関する課題とその解決策を考察することを目的とした。


■探究の方法や内容

日本獣医生命科学大学の全学科全学年(獣医学科1~6年、保健看護学科1~4年、食品科学科1~4年、動物科学科1~4年)のグループSNSに、Google Formで著者が作成したアンケート「関心のある動物と馬に関する調査」を送り、2023年6月23日~8月23日の期間でフォームを開放し回答を集めた。2か月間で合計171件の回答が得られ、集計した回答を項目別または内容別に解析し、考察に用いた。


■感想と今後の課題

今回の調査は日本獣医生命科学大学のみで実施したものであり、結果に大学による学生の「色」が反映されている可能性があると感じた。そのため、別の獣医大学でも同様の調査を行なえば、大学の色に依らない一般化された結果が得られるとともに、大学ごとの馬への意識の違いも考察できるのではないかと感じた。

また、今回は学生を対象にした調査であったが、今後、獣医学や農学を専門とする大学教員や研究者、仕事で馬に関わっている方々にもお会いしてお話を聞ける機会があれば、馬の学習機会や職業の選択肢について、より深い考察ができるのではないかと思う。

応募作品