田辺市立会津小学校いじめ防止基本方針
平成26年3月作成
令和 6年4月改訂
1.いじめ防止の基本方針
(1) 基本理念
いじめは、いじめを受けた児童の心身の健全な成長及び人格の形成に重大な影響を与えるのみならず、その生命又は身体に重大な危険を生じさせる恐れがあります。したがって、本校では、すべての児童がいじめを行わず、及び他の児童に対して行われるいじめを認識しながらこれを放置することがないように、いじめの防止のため次の3点を基本理念として対策を講じます。
①いじめは、人として決して許されない行為です。しかしながら、どの児童にも、どの学校にも起こり得ることから、学校、家庭、地域が一体となって、継続して、 未然防止、早期発見、早期対応に取り組みます。
②いじめ問題への取組にあたっては、学校全体で組織的な取組を進める必要があります。とりわけ、「いじめを生まない土壌づくり」に取り組む未然防止の活動は、教育活動の在り方と密接にかかわっており、すべての教職員が日々実践することが重要です。
③いじめられている児童の立場に立ち、その児童の心の痛みをしっかりと親身になって受け止め、最後まで守り抜くという姿勢を貫き、いじめ問題を解決します。
「いじめ防止対策推進法」の遵守といじめ問題への対応にあたり、いじめが、いじめられた児童の心身に深刻な影響を及ぼす決して許されない行為であることについて、児童、保護者、地域に対して丁寧な説明を行います。
(2) いじめの定義
「いじめ」とは 児童等に対して、当該児童等が在籍する学校に在籍している等当該児童等と一定の人的関係にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているものをいう。【法第2条】
(3) いじめの禁止
児童等は、いじめを行ってはならない。 【法第4条】
(4) 学校及び職員の責務
いじめが行われず、すべての児童が安心して学習その他の活動に取り組むことができるように、保護者他関係者との連携を図りながら、学校全体でいじめの防止と早期発見に取り組むとともに、いじめが疑われる場合は、適切かつ迅速にこれに対処し、さらにその再発防止に努めます。
(5) いじめの基本認識
いじめ問題に取り組むにあたっては、「いじめ問題」にはどのような特質があるかを十分に認識し、日々「未然防止」と「早期発見」に取り組むとともに、いじめが認知された場合の「早期対応」に的確に取り組むことが必要です。いじめには様々な特質がありますが、以下の①〜⑦は、教職員がもつべきいじめ問題についての基本的な認識です。
① いじめはどの児童にも、どの学校にも起こり得るものである。
② いじめは人権侵害であり、人として決して許される行為ではない。
③ いじめは大人には気づきにくいところで行われることが多く発見しにくい。
④ いじめはいじめられる側にも問題があるという見方は間違っている。
⑤ いじめはその行為の態様により暴行、恐喝、強要等の刑罰法規に抵触する。
⑥ いじめは教職員の児童観や指導の在り方が問われる問題である。
⑦ いじめは学校、家庭、地域社会などすべての関係者がそれぞれの役割を果たし、一体となって取り組むべき問題である。
2. いじめ防止対策組織
(1) いじめ防止対策のための組織「いじめ防止対策委員会」の設置
いじめの防止を実効的に行うため、次の機能を担う「いじめ防止対策委員会」を設置します。
【いじめ防止対策委員会】
<構成員>
校長、教頭、教務主任、生徒指導主任、学年主任、特別支援学級主任、養護教諭、スクールカウンセラー ※協議や対応する内容に応じて組織の構成員は柔軟に定めます。
<活 動>
① いじめの早期発見に関すること。(アンケート調査、教育相談等)
② いじめ防止に関すること。
③ いじめ事案の対応に関すること。
④ いじめが心身に及ぼす影響、その他のいじめの問題に関する児童の理解を深めること。
<開 催>
月1回を定例会(職員会議)とし、いじめ事案発生時は緊急開催とします。
3 .いじめの未然防止
(1) 学校におけるいじめの防止
児童一人一人が認められ、お互いに相手を思いやる雰囲気づくりに学校全体で取り組みます。また、教師一人一人が分かりやすい授業を心がけ、児童に基礎・基本の定着を図るとともに学習に対する達成感・成就感を育て、自己有用感を味わい自尊感情を育むことができるように努めます。
道徳の時間には、命の大切さについての指導を行います。また、「いじめは絶対に許されないことである。」という認識を児童がもてるように、教育活動全体を通して指導します。そして、見て見ぬふりをすることや知らん顔をすることは、「傍観者」としていじめに加担していることを周知させます。
① 生徒指導の機能を重視した「わかる授業」を展開し、自己有用感を高めます。
② 道徳教育、命を大切にする教育、豊かな人間関係づくり、人権週間の取組等を計画的に指導します。
③ 学校全体で暴力や暴言を排除します。
④ いじめ防止対策推進法やいじめ防止の取組について、児童・保護者に啓発します。
(2) インターネットを通じて行われるいじめに対する対策
児童及び保護者が、発信された情報の高度の流通性、発信者の匿名性、その他のインターネットを通じて送信される情報の特性を踏まえて、インターネットを通じて行われるいじめを防止し及び効果的に対処できるように、啓発活動や情報モラル研修会等を行います。
4. いじめの早期発見
(1)いじめの早期発見・早期対応
日頃から児童が発する危険信号を見逃さないようにして、いじめの早期発見に努めます。また、定期的に「楽しい学校・学級・仲間づくり(いじめ)アンケート調査」を実施するとともに、個人面談等を通して、児童の悩みや保護者の不安を積極的に受け止めます。
① 「楽しい学校・学級・仲間づくり(いじめ)アンケート調査」等
「いじめはどの学校でも、どの子にも起こり得る」との認識のもと、いじめを早期に発見するため、在籍する児童に対する定期的な調査を次のとおり実施します。
1)児童対象「楽しい学校・学級・仲間づくり(いじめ)アンケート調査」各学期1回
2)保護者対象の個人面談(7月)
② いじめ相談体制
児童及び保護者がいじめに係る相談を行うことができるよう次のとおり相談体制の整備を行います。
1)スクールカウンセラーの活用
2)いじめ相談窓口の設置
③ いじめの早期発見
1)昼休み等授業時間以外の児童の人間関係を定期的に観察します。
2)いじめがあった場合の児童の変化の特徴を保護者に示し、速やかに学校に相談する等の啓発活動を行います。
④ いじめの防止に係る資質の向上
いじめの防止のための対策に関する研修を実施し、いじめの防止に関する職員の資質向上を図ります。
5. いじめの相談・通報窓口
いじめに係る相談を受けた場合は、すみやかに事実の有無の確認を行います。
(1) 学校におけるいじめの相談・通報窓口
① 教頭 、養護教諭 、教務主任
(2) 学校以外のいじめの相談・通報窓口
① 田辺市いじめホットライン(電話相談) 電話 0739-26-3224
② 田辺市いじめ相談ホットライン(メール相談)E-mail:ijime110@city.tanabe.lg.jp
③ 田辺市教育委員会学校教育課
電話0739-26-9942 E-mail:gakkou@city.tanabe.lg.jp
④ 和歌山県教育センター学びの丘 いじめ相談電話 電話 073-422-9961
⑤ 和歌山県教育長へのメール
E-mail: http://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/500100/kyouikupost.html
⑥ 和歌山県知事へのメール
E-mail: https://www.pref.wakayama.lg.jp/secure/teigen/teigen.html
6 .いじめを認知した場合の対応
いじめの事実が確認された場合は、いじめをやめさせ、その再発を防止するため、いじめを受けた児童・保護者に対する支援と、いじめを行った児童への指導とその保護者への助言を継続的に行います。
(1) 発見時から組織的対応の展開
1 いじめの情報のキャッチ
・いじめが疑われる言動を目撃
・日記等から気になる言葉を発見
・児童や保護者からの訴え 学級担任(学年主任)⇒ 生徒指導 ⇒ 校長・教頭
・「アンケート」から発見
・校内の先生等からの情報提供
2 対応組織の編成 = 【いじめ対策委員会】の立ち上げ
・校長、教頭、生徒指導主任、学年主任、担任、当該学年教員、養護教諭、特別支援教育コーディネーター、スクールカウンセラー等事案に応じて編成します。
3 対応方針の決定・役割分担
① 情報の整理
② 対応方針
・緊急度の確認、「自殺」「暴行」等の危険度を確認
③ 役割分担
・いじめを受けた児童、いじめを行った児童、周りの児童の事情聴取と支援・指導担当
・保護者への対応担当
・関係機関への対応担当
4 事実の究明と支援・指導
・いじめの状況、いじめのきっかけの聴取
・事実に基づく聴取は、いじめを受けた児童→周囲の児童→いじめを行った児童の順に行います。
・複数の教員で確認しながら聴取を進め、情報提供者についての秘密を厳守します。
・いじめを行った児童がいじめを受けた児童や通報した児童に圧力をかけることを防ぎます。
・いじめの関係児童間における争いを生じさせないよう、いじめの事案に係る情報を関係保護者と共有するための必要な措置を講じます。
5 いじめを受けた児童、いじめを行った児童、周囲の児童への指導
① いじめを受けた児童への対応
※心のケア(スクールカウンセラー等の活用)や安心して学校に通学できるようにするための対応を最優先する。
・いかなる理由があっても、いじめられた児童を守ります。
・担任を中心に、児童が話しやすい教師が対応します。
・学校は今後の指導の仕方について伝えます。
・児童のよさや優れているところを認め、励まします。
・いじめている側の児童との今後の関係などを具体的に指導します。
・日記の点検や面談等を行い、不安や悩みの解消に努めます。
・自己肯定感を回復できるよう友人との関係づくりや活躍の場等の支援を行います。
② いじめを行った児童への指導・対応
※いじめを受けた児童が恐れている場合も想定して
・いじめを行った背景を理解しつつ、行った行為に対しては毅然と指導します。
・自分はどうすべきだったのか、これからどうしていくのかを反省させます。
・対応する教師は中立の立場で事実確認を行います。
・いじめを受けた児童の辛さに気付かせ、自分がいじめを行った児童であることの自覚をもたせます。
・いじめは決して許されないことをわからせ、責任転嫁等を許しません。
・日記や面談等を通して、教師との交流を続けながら成長を確認していきます。
・授業や学級活動等を通して個人のよさを認めプラスの行動に向かわせていきます。
③観衆、傍観者への指導・対応
・いじめは、学級や学年等集団全体の問題として対応し、いじめの問題に、教師が児童とともに本気で取り組んでいる姿勢を示します。
・いじめの事実を告げることは、告げ口やチクリなどというものではないこと、辛い立場にある人を救うことであり、人権と命を守る立派な行為であることを伝えます。
・周囲ではやし立てていた児童や傍観していた児童も、問題の関係者として事実を受け止めさせます。
・これからどのように行動したらよいのかを考えさます。
・いじめの発生の誘引となった集団の行動規範や言葉遣いなどについて振り返らせます。
・いじめを許さない集団づくりに向けた話し合いを深めます。
(2) 保護者との連携
① いじめを受けた児童の保護者との連携
・事実が明らかになった時点で速やかに家庭訪問を行い、学校で把握した事実を正確に伝えます。
・学校として徹底して子どもを守り支援していくことを伝え、対応の方針を具体的に示します。
・対応経過をこまめに伝えるとともに、保護者からの子どもの様子等について情報提供を受けます。
② いじめを行った児童の保護者との連携
・事情聴取後、子どもを送り届けながら家庭を訪問し、事実を経過とともに伝え、その場で子どもに事実の確認をするとともに、相手の子どもの状況も伝え、いじめの深刻さを認識してもらいます。
・指導の経過と子どもの変容の様子等を伝え、指導に対する理解を求めます。
・学校は事実について指導し、よりよく成長させたいと考えていることを伝えます。
(3) 関係機関との連携
① 警察への通報など関係機関との連携
・犯罪行為として取り扱われるべきいじめについては、教育委員会及び所轄警察署等と
連携して対処します。
7. 情報提供
いじめの調査結果について児童、保護者への適切な情報提供を行います。
8 .重大事態への対処
(1) 重大事態についての基準
【重大事態とは】
① いじめにより児童の生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑いがあると認めるとき:児童が自殺を企図した場合等
② いじめにより児童が相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認めるとき:不登校の定義を踏まえ年間30日を目安とし、一定期間連続して欠席しているような場合などは、迅速に調査に着手する。
※ 児童や保護者からいじめられて重大事態に至ったという申立てがあったとき:重大事態が発生したものとして報告・調査等にあたる。
(2) 重大事態発生時の連絡体制
① 発見者⇒ 担任⇒ 学年主任⇒ 生徒指導主任⇒ 教頭⇒ 校長
② 校長⇒ 教育委員会学校教育課
※緊急時には、臨機応変に対応する。
※教育委員会への一報後、改めて文書で報告する。
※必要に応じて警察等関係機関等にためらわずに通報する。
(3)重大事態発生時の初動
① いじめ対策委員会の招集
② 教育委員会学校教育課への報告と連携
③ 調査方法:<事実の究明>
・いじめの状況、いじめのきっかけの聴取
・事実に基づく聴取:いじめを受けた児童→周囲にいる児童→いじめを行った児童の順
④ 警察への通報など関係機関との連携
9. 公表・点検・評価
① 学校いじめ防止基本方針をPTA総会等で公表します。
② 年度ごとにいじめに関しての統計や分析を行い、これに基づいた対応を図ります。
③ 年度ごとにいじめ問題への取り組みを保護者、児童、職員で評価します。
④ いじめに関する点検・評価に基づき、学校いじめ防止基本方針を見直します。