「臨床工学技士」とは,厚生労働大臣の免許を受けて,臨床工学技士の名称を用いて,医師の指示の下に,生命維持管理装置の操作(生命維持管理装置の先端部の身体への接続又は身体からの除去であって政令で定めるものを含む.以下同じ.)及び保守点検を行うことを業とする者をいう.
(臨床工学技士法 第1章 第2条-2 <改正>平成26年)
医療と工学の両面を兼ねそろえた「国家資格」で,病院等の医療機関や医療機器メーカに勤務する「医療機器の専門職(SPECIALIST)」です. 多くの医療機関で必要とされ「就職率はほぼ100%」となっています.
心臓血管手術に使用する人工心肺装置および周辺機器や、急性心不全の患者さんに使用する補助循環装置、左室補助人工心臓などの操作・保守管理をおこないます。
人工呼吸器や経皮的心肺補助装置、急性血液浄化装置などの生命維持装置の操作や、生体情報モニタなどの高度医療機器の操作・管理を行います。
集中治療室や病棟において、人工呼吸器をはじめとした各種呼吸療法機器の操作・管理をおこないます。また高気圧環境室に患者さんを収容し、血行障害などをはじめとした様々な病態の改善を図る治療をおこないます。
腎臓の機能の一部を代行する血液透析装置の操作・管理を行います。血液浄化法には目的に応じて様々な方法があり、最も多くの臨床工学技士が関わる業務です。
病院では多くの医療機器が使用されています。臨床工学技士は、これらの機器を中央管理体制のもとで点検・整備を行い、医療機器を安全に使用できるようにします。
高気圧酸素環境の中に患者さんを収容することで、血行障害をはじめとした様々な病態の改善を図る治療です。臨床工学技士は、この装置の操作・保守管理をおこないます。
狭心症などの病気に対する治療として、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)がおこなわれます。臨床工学技士は、治療や診断に使用する機器の操作をおこない医師がおこなう治療を支援します。
手術室では、麻酔器や輸液ポンプ、手術支援ロボットなど高度医療機器が多く使用されています。臨床工学技士は、医師の指示のもとで、これらの手術機器の操作をおこない手術を支援しています。
学習とは教授の講義、学生の勉強によって成果の上がるものです。臨床工学科ではまず第一に「教養教育」を重視し、人間性の基礎にたって、先生と学生、または学生と学生が向き合った少数精鋭主義の教育を実施します。
入学初年時は、数学、物理学、情報科学を始め、心理学、英語などの基礎教養科目をしっかりこなすことが目標です。理科や数学が苦手な人でも専門科目を無理なく学べるようにカリキュラムが組まれています。
解剖学、病理学、免疫学といった医学系科目と、電気工学、計測工学などの工学系科目をバランスよく配置し、教養科目で学んだ知識を深め、専門教育への橋渡しをします。
専門科目では、講義と実習で知識と技能を磨いていきます。そして4年次では、近隣の高度先端医療機関での臨床実習を通じて、確かな実践力を身につけます。