終止コドンにはそれぞれ名前がついている。UAG (amber)、UGA (opal)、及びUAA (ochre)
https://lifescience.toyobo.co.jp/page/break/215
出版した論文の振り返り、雑感
4. Yoshioka et al. (2022) BMC Ecology and Evolution
修士の時に取り組んだ研究成果をまとめた論文。サンゴという点では共通する分野であるが、前作まではミドリイシのトランスクリプトーム、本作は個人的に気に入っているコモンサンゴのゲノムを題材とした研究である。特にFigure 1で示している、卵と幼生の写真は美しく、最も気に入っている。系統ごとの進化速度を示したFigure 4もお気に入りであるため、是非とも見てほしい。雨が降っているような見た目から、レインクラウドプロットと呼ばれている。
3. Yoshioka et al. (2022) Scientific Reports
修士の時に取り組んだ研究成果をまとめた論文。前作に関連する内容であったことから筆が乗った。当該分野の人であれば、なんとなくそうなるだろう、と予測する結果を示すことができ、ピアレビューもスムーズに進んだ。前作の反省から、論文の構造、特にイントロダクションはかなり丁寧さを意識しながら記述した。当時はJacobovitz et al (2021) Nature Microbiology をよく読んだ。データの見せ方や文章の構成など練ってみた。
2. Yoshioka et al. (2020) Genome Biology and Evolution
修士の時に最初に取り組んだ研究をまとめた論文。トランスクリプトーム解析はいくつか行なった経験があったため、データ解析には苦労しなかった。しかし、論文として結果をまとめるとなると、難しさは格段に上がったように感じた。特に印象に残っているのがレビュワーから指摘された「A bird's eye view of the data...」という文言である。大量のデータを基に論文を執筆する際には、読者の視点を自然と絞り込ませるような記述が必要不可欠であることに気付かされた(読みやすい論文はこの辺りが上手く記述されていると感じる)。また、この時から「サンゴと褐虫藻の共生」分野に触れることとなった。当該分野は古くから注目されていたこともあり、参照すべき論文が多かった。しかし、当時、次世代シーケンサを使った遺伝子発現解析はほとんどなかったため、データから推測される考察を中心に記述していた。レビュワーからは、過去の知見と得られた結果がどのように繋がるのか、丁寧な記述を求められた。今思い返すと、少々乱暴な記述が多かったのだろうと回想する。有名科学誌へのチャレンジを経て、最初の論文投稿から1年以上かかった後、最終的にGBEにて出版された。
1. Yoshioka et al. (2017) PeerJ
高専の卒業研究で行った成果をまとめた論文であり、人生で初めて執筆した論文でもある。学名は斜体にする、数字と単位の間にはスペースを空けるなど、学術論文の基本的なルールをなんとなく分かっていた気になっていたが、いざ執筆をしてみると全く実践できておらず、基本的なルールを覚えることから始めた。また、当時はテクニカルライティングについて無知だった。「理科系の作文技術 -木下是雄 著」を読んだ記憶がある。さらに、当時は全くといってよいほど、英語の勉強をしていなかったため、英文の執筆には苦労した。今、論文を見返すと、もう少し上手くかけただろう、と思える箇所が多々ある。研究成果を自分の名前と一緒に世の中に発信するという、ある種の成功体験を、研究を始めた初期(高専の専攻科1年次(学部3年生相当))に得ることができたのはとても大きいと感じる。