会長挨拶

横浜市肢体不自由児者父母の会連合会

会長 熊坂 康

今年は、「横浜市肢体不自由児者父母の会連合会」が昭和42年1月結成以来50周年を迎える記念すべき年であります。この50周年を迎えられるのは、諸先輩のお力のお蔭と感謝申し上げます。

5年前に結成45周年記念行事を迎え、あっという間に5年が過ぎました。

その間に、我々を支援してくれる法律は、障害者自立支援法から障害者総合支援法へ一歩前進し、障害者差別禁止法も定められました。行政では、街づくりのバリアフリー化が進んで、子どもたちの活動の範囲も広がってきました。

前進はしているものの初めの期待通りに進んでいないのが現状です。特に、【その子に合った学びの場の確保】、【卒業後の居場所】、【親の高齢化に伴う将来の生活への不安】等、大きな課題だと思います。

そして、痛ましいやまゆり園の事件もありました。再びこのような悲劇が起こらないよう、考えていかなければいけないと思います。

私たち親として50年間目指してきたものは『自分の意見を表せない子どもの代弁者』となることです。一市民として、子どもたちが安心して暮らせる社会をつくるための活動や、行政に対する働きかけです。また地域市民の方々の理解をいただく活動も欠かせません。

横浜市が全国に先駆けて、独自の障害児者施策を推進していることは、大いに評価できることです。現状多機能型拠点が3館実現し、重度重複障害児者のためのグループホームも、一歩づつではありますが作られつつあります。でも、その恩恵を受けているのは、在住している子どもたちの一部であることが現状です。

この受け皿を大きくするには、財源・人材・場所の確保が必須要件です。障害児者を抱える家族が、権利主張のみでなく、行政・地域の方々の支援をいただいて、この【受け皿】を大きくしてゆくことが重要と考えます。

子どもたちは、自ら沢山の赤い糸を持っているのではないでしょうか。その糸を掴んで一緒に歩んでくれる人々・団体≪学校の先生、施設の職員・看護師、お医者さん、緊急時応援してくださる地域の方々、地区行政の担当者、そして県や市の障害者団体≫等々、多くの人々に支えられて生活しています。

これからも私たちと一緒に声を出していく仲間を増やし、若い方たちも一緒に活動していきたいと思っています。