・ワイルドウイリーのデザイン

ワイルドウイリーシリーズの一番の魅力は、なんといってもそのデザインにあります。

最高の比率でデフォルメされたボディ、そのボディとの絶妙なバランスを保ったタイヤなど、初代ワイルド・ウイリスを初めて見て27~28年になりますが、いまだにカッコいいなぁ~、と思ってしまいます。

また、2代目のワイルドウイリー2もシャーシの構成やタイヤサイズの変更により、初代と若干趣は異なりますが、カッコいいと思います。

このデザインは、「ルパン三世カリオストロの城」等でも作画監督を務めたアニメーターの大塚康生氏が手がけています。大塚氏はアニメ界では非常に有名で、私が大好きだったアニメ「未来少年コナン」の作画監督も務めています。そしてジープマニアとしても有名なようです。(ジープ関連の書籍も出しています)

◆初代 ワイルド・ウイリスの箱絵

ではなぜアニメーターの大塚氏がラジコン車のデザインを、という話になるのですが、実は大塚氏はミリタリー関係に造詣が深く、タミヤ自体もミリタリー製品には深い思い入れがあります。そのような流れから、大塚氏がタミヤニュース(タミヤの月間の情報冊子)に連載を行い、その流れからデザインを依頼し誕生したマシンが初代ワイルド・ウイリスだったのです。

そのような大塚氏の思いとタミヤの技術の魂がこもっていただけに、いまだに色褪せないデザインなんだと思います。

そして、そのことを考えると、惜しいのはワイルドウイリー2のフロントグリルです。初代の縦スリットは実車の雰囲気を再現しておりなんとも言えない味を出していたのですが、2で横型のオリジナルグリルに変わったことは残念で仕方ありません。

私は絶対縦スリットの方がかっこいいと思っています。

横スリットはワイルドウイリーの雰囲気を台無しとまでは行かないまでも、なんだか雰囲気が無くなってしまったなぁ、と思うのです。

おそらく意匠の問題があったものと思われます。

戦車の裏側の細部にまでこだわるタミヤであり、ワイルド・ウイリスのフロントグリルに関してもあらゆる手を尽くしたはずですが、どうにもならなかったのでしょう…。

なんせ、ワイルドウイリーはコミカルモデルですが、一応ミリタリー関連モデルであり、タミヤ製品の中でも最もこだわりのあるカテゴリーのはずなので…。

一番残念に思ったのは大塚康生氏だったのかもしれません。

最近のタミヤでは復刻版の再発売も活発なので、ワイルド・ウイリスに復刻もあるのか無いのかわかりませんが、あったとした場合どのように対応するのか気になります。

実は私が問い合わせたところ、金型も加工してしまったため復刻は無いとの回答でした…。

残念。

でもいい意味での裏切りを密かに期待しています。