私のレンズにサインしてもらえますか

Pouvez-vous mon objectif un autographe?

Autograph Camera

図1. カメラ初号機

【前口上】

スポーツの試合前後にあこがれの選手からサインを貰えるチャンスがある。自分のカメラにサインをして貰う事により、サインをしている映像までもが宝物になるというスペシャルなカメラをRaspberry Piで製作した。(図.1)

【製作に至る背景】

「ジロ・デ・イタリア」という自転車レースがある。5月のイタリアを3週間かけて一周するレース、いわばツール・ド・フランスのイタリア版である。そのレースのスタート前に選手が出走サインをする風景が写る。

出走サインをする為のボードは透明な板で出来ており、それを裏面から撮影しているので選手がサインをする様子がよく見える。笑顔で手を振ったりする人もいれば緊張気味の人もいたり、選手の様々な様子が窺えるのが非常に楽しい訳である。

もっとたくさんの選手のサインする様子を見たい、なので自分で作ってサインをしてもらう事にした。

【材料】

・Raspberry Pi Model A+

・Raspberry Pi Camera Module with Wide Lens

・DS3231 RTC Module

・AQM0802A 8x2 LCD Module

・4.3inch Color LCD

・タクトスイッチ

・モバイルバッテリー

・スチレンボード

・磁石

・アクリルパネル

【ブロック図】

本カメラのブロック図を示す。(図.2)

Block Diagram

図.2 ブロック図

・実験用にスイッチを6個も接続しているが、実際はこんなにいらない。

・RTCは、非IP環境下で時間を保持するのに必要。

・LCDは動作確認用なので少なくとも1つあればよい。

【電源構成】

本カメラの電源構成図を示す。(図.3)

Power Distribution

図.3 電源構成

・モバイルバッテリーからの5VはRaspberry Pi内蔵のレギュレータで3.3Vに降圧される

・この3.3VをRTCと8x2 LCDに供給する

・4.3inch Color LCDは5V供給、内部に昇降圧レギュレータが搭載されているが図では省略

・モバイルバッテリーは消費電流が減っても勝手にOFFしないタイプを選択する

【撮影結果】

これでに頂いたサイン。

順次追加。

■再生リスト

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選手のみなさま、ありがとうございました!

【消費電流はどれくらいか】

外部ビデオ出力無しの状態での5V系の消費電流を測定。

05fps/1920x1080 : 0.15A

30fps/1920x1080 : 0.26A~0.33A

バッテリーを持たせるためにはフレームレートを下げるとよさそう。

【既知の問題点】

1.ホワイトバランスを固定(WB sun等)にしているが、autoのような挙動を示している

→要検証

2.屋内などの比較的暗い環境ではカメラ動作確認用の赤色LEDが撮影画像に映り込んでいる

→鏡筒内の赤色LEDが原因。 /boot/config.txt に disable_camera_led=1 を追加する