1 安永期まで
竹内 有一編著 、2019/2/17 改訂
竹内 有一編著 、2019/2/17 改訂
延享4年(1747)頃か。正本名題は「老まつ」。作詞者不詳。祝儀もの。
初世文字太夫が直伝する許しものと定められていた曲であること、および本曲成立にまつわる伝説が『常磐種 天之巻』に記されている〔竹内 2006〕。『常磐種』(ときわぐさ)は、江戸期の常磐津家元関係者が、劇場出演の履歴・行事・できごと等を記録し編纂した史書で、常磐津家元に伝存していたが、大正期の関東大震災で焼失した。明治期に作られた転写本が東京芸大に所蔵される〔竹内 1996〕。
初刊本は東京大学所蔵本のみ(5行2丁、伊賀屋)。伊賀屋による再刊本も多種多数の現存が確認される。
宝暦以前か。正本名題は「子宝三番三」。作詞者不詳。祝儀もの。
戦災で焼失した正本巻頭の連名によると、初世常磐津文字太夫と初世佐々木市蔵(すなわち常磐津節創流期)の開曲であるという〔常磐津舞踊全集〕。現存諸本の書誌調査によっても、正本の初刊は初世文字太夫の時代(宝暦以前か)と考えられる〔竹内 2006〕。
初刊本は東京大学所蔵本のみ(9行2丁)。
明和2年(1765)11月市村座、金井三笑作詞
安永3年(1774)3月中村座、初世桜田治助作詞
富本節から常磐津節に移されて伝承されたもの。
安永7年(1778)4月中村座、初世桜田治助作詞
安永7年(1778)11月森田座、河竹新七作詞
絵本番付より
安永9年(1780)11月中村座、河竹新七作詞