Decapoda (十脚目)
エビやカニ,ヤドカリなど,一般になじみ深い動物を含む甲殻類の一群です.十脚の名のとおり,ハサミをあわせて10本の歩行用の脚を持ちます.私は駒井智幸さんと以下の研究を行いました.
エビやカニ,ヤドカリなど,一般になじみ深い動物を含む甲殻類の一群です.十脚の名のとおり,ハサミをあわせて10本の歩行用の脚を持ちます.私は駒井智幸さんと以下の研究を行いました.
Rediscovery and redescription of the abyssal squat lobster Munidopsis petalorhyncha Baba, 2005 (Crustacea: Decapoda: Munidopsidae) from the Northwest Pacific.
【論文へのリンク】
研究船「蒼鷹丸」の航海中に磐城海山の斜面水深約5400 mから採集されたコシオリエビに関する分類学的成果です.Munidopsis petalorhyncha Baba, 2005と同定し,再記載を行いました.
ちなみに,本種のホロタイプには寄生性等脚類の寄生が確認されていましたが(図1a),2020年に新種として記載されたようです(Pleurocryptella altalis Williams et al., 2020).(2020年頃記)
First record of Scutariella japonica (Platyhelminthes: Rhabdocoela) from Hokkaido, Japan, and notes on its host shrimp Neocaridina sp. aff. davidi (Decapoda: Caridea: Atyidae).
【論文PDF】
ヌマエビ科の外部寄生生扁形動物であるエビヤドリツノムシScutariella japonicaの北海道初報告論文です.本種初となる分子データ(COI, 18S rRNA, 28S rRNA)も決定しました.
2021年,COVID-19の感染拡大から担当実習内容の変更が必要となった私は,(この時代にではありますが)アメリカザリガニの解剖をやってみるかと,札幌でアメリカザリガニの定着が確認されている安春川にザリガニ採りにいきました.結果は脱皮殻2個のみを得るという採集能力の低さ.ただ代わりにエビが採れることがわかりました.小さすぎるので実習に使うのは断念しましたが,いくつか持ち帰った個体を観察していると,にょーんにょーんと伸び縮みする生き物をエビの体表に発見.色々調べた結果,北海道から報告のないエビヤドリツノムシだと明らかになったため報告しました.宿主について「エビ」以上の同定ができなかった私は,駒井智幸さんに同定を依頼,分類がとても混乱しているシナヌマエビの仲間Neocaridina sp. aff. davidiだというところまで形態・DNA情報をもとに明らかにしていただきました.ちなみに宿主のエビも外来種です.安春川は下水処理場の高度処理水を水源とする冬季でも水温が10度以上ある温かい川です.このことが人の営みに関係して安春川に侵入したエビとエビヤドリツノムシの生き残りを可能にしたのだろうと考えられます(20220130記)
A new parasitic barnacle (Crustacea, Cirripedia, Rhizocephala, Mycetomorpha) from the abyssal zone in the northwestern Pacific
【論文PDF】
Nectonema horsehair worms (Nematomorpha) parasitic in the Tanner crab Chionoecetes bairdi, with a note on the relationship between host and parasite phylogeny
【論文リンク】
Munidopsis petalorhyncha(固定前)