南極昭和基地周辺の沿岸海産動物相の解明に向けて

近年,南極では生態系保全の観点から,大陸全域での陸上・沿岸生物の長期モニタリングシステム構築に向けた取り組みが進められています.システム構築には大陸各地の生物相に関する情報の蓄積が必要ですが,日本の観測基地である昭和基地周辺の生物相については,特に沿岸海産動物に関して未だ理解が進んでいない現状にありました.

そんな話を2014年に国立極地研究所所属(当時)の辻本惠博士に頂いたことから,辻本さんと私で旗振りをして,南極昭和基地周辺の沿岸海産動物相解明を目的に,色々な研究機関の様々な動物群を対象とする分類学者に協力いただき,多様性研究に関する合同プロジェクトを開始しました.調整を含めほとんどのことを辻本さんに頑張ってもらって進んでいるプロジェクトなので,ここに書くのが適切かわからないのですが,私自身の備忘録的な意味も込めて,ここに成果等について記述していこうと思います.

なお私が発表者・著者などに加わっていないものも含め,全て列挙する予定です.また,本プロジェクトから派生して進められた昭和基地周辺以外の南極・亜南極域の海産動物に関する成果も掲載予定です.