「産学官連携交通事故AI予測システム研究会」発足式
2023年4月14日
富山県警察本部と富山県立大学が、交通事故発生予測に基づく先制的な交通事故防止対策を行うため、令和3年10月に共同研究協定を結び、人工知能(AI)を活用した交通事故発生の要因・規則性等を分析する手法の開発に関する共同研究を進めてきました。この研究はこれまでに、2つの学会(電子情報通信学会および計測自動制御学会)から3つの賞を受賞するなど,高い評価を得るに至っています。
令和5年4月からは、主に社会実装を目的として新たに富山県県民生活課、株式会社インテック、北電情報システムサービス株式会社およびあいおいニッセイ同和損保保険株式会社を加え「産学官連携交通事故AI予測システム研究会」を発足することとなりました。産官学が連携することにより、産業界の知見・技術力を踏まえ、交通事故予防に資する新たなシステム構築を目指します。
1 日時・場所
令和5年4月14日(金)午前10時半~12時
富山県立大学DX教育研究センター 1階 オープンスペース
2 出席者
(1) 富山県立大学
① DX教育研究センター長 唐山 英明
② 工学部情報システム工学科 教授 榊原 一紀
③ 工学部情報システム工学科 教授 中村 正樹
④ 工学部環境・社会基盤工学科 教授 星川 圭介
⑤ 工学部知能ロボット工学科 准教授 本吉 達郎
⑥ DX教育研究センター DXコーディネーター 赤瀬 涼太
⑦ 地域連携センター 産学官連携コーディネーター 加藤 賢一
(2) あいおいニッセイ同和損保保険株式会社富山支店
①地域戦略室 室長 川本 貴士
②地域戦略室 担当次長 小西 英之
③顧問 七澤 浩文
(3) 株式会社インテック
① 行政システム事業本部 DX推進サービスマネージャー 窪木 顕
② 先端技術研究所 上級プロフェッショナル 北野 景彦
(4) 北電情報システムサービス株式会社
①システム開発部 ITソリューションチーム統括 前川 馨
②システム開発部 AIソリューションチーム統括 廣野 学
(5) 富山県
県民生活課 交通安全担当主幹
(6) 富山県警察本部
交通部首席参事官、交通企画課交通総合対策室長
3 次第
(1) 挨拶
(2) これまでの研究成果報告
(3) プロジェクトの概要説明
(4) 各企業のAIに係る取組紹介
(5) 今後の研究の進め方
■プロジェクトの概要説明
県立大学と警察本部が進めてきた共同研究「AIによる交通事故発生予測」について、今後の実用化を見据え研究段階から、株式会社インテック、北電情報システムサービス株式会社及びあいおいニッセイ同和損保保険株式会社等の参画により効果的・効率的な研究を進めていきます。
県立大学では、機械学習、統計解析等AI手法を用いて、交通事故の発生を分析・予測を行います。
多様な知見が必要なため、DX教育研究センター、情報システム工学科、環境・社会基盤工学科、知能ロボット工学科という異なる分野の研究者が結集します。
■これまでの研究成果
①場所、被害内容等の交通事故データ、②気象、人の流れ等の環境データ、③交通量等の測定データを形式概念分析というデータ分析手法を用いて事故の要因を分析しました。
分析結果の一つとして、高齢者は昼の曇りの時に交通事故の被害にあう傾向があるということがみえてきました。
また、機械学習による事故予測を行い、例えば、ある特定の地域において、異なる曜日や時間帯で事故が起きた場合の事故属性そ予測して地図上にプロットするなど、予測結果を可視化することができます。
勘や経験ではなく、データに裏打ちされた交通事故対策を、今後実現できます。
~ ちょっとコラム ~
EBPM(Evidebce-based Policy Making= 証拠に基づく政策立案)
EBPMとは、(1)政策目的を明確化させ、(2)その目的のため本当に効果が上がる行政手段は何かなど、「政策の基本的な枠組み」を証拠に基づいて明確にするための取組で、国、都道府県等で実践されています。勘や経験に頼る方法ではなく政策の有効性を高めるものですが、データの収集、分析手法の確立等が困難で、なかなか進んでいません。(H30.1.12 内閣官房行政改革推進本部資料参照)
今回の研究は、まさにEBPMの取組みであり、交通事故の分析を行い、事故発生の原因を特定し、そして、交通事故を予防することにより、安全・安心な地域づくりにつなげるものです。
産官学の連携によるこれからの研究に、こうご期待❕
ー 発足式参加の方々 ー