ハニ―ビー・ワグルダンス Honeybee waggle dance(図1,d)
ミツバチが同巣他個体に,餌場の位置を伝達する際に示す8の字型の運動パターン.
軌跡の特徴
巣内の垂直の壁で行われる.
2つのループを交互に繰り返して8の字を描く.
2つのループが接する部分で,尻振りをする(尻振りフェーズ,Waggle phase).
尻振りは,2つの円がつながる部分の角度が,目標の方向の情報を含むため,毎回角度が固定している.どちらかというと「8」に近く,厳密には「∞」(無限大)ではない
精確に右回り,左回りのループを繰り返す(一種のジグザグ).
機能
重力方向に対して上側が太陽の方角であるとし,尻振りフェーズの角度によって,巣と餌場の角度が表現される.
尻振りフェーズの持続期間が,餌場までの距離を表現する(1秒あたり約1km).
メカニズム
餌場までの距離は,物理距離でなく,経験したオプティカルフローの量で決まる(絶対的な長さを測っているわけではない).
尻振りは,振動感覚によって受容される.
重力感覚が,転向のトリガーになっているのであろう.