Rigidity seminar 2013年6月28日(金)

場所:名古屋大学 理学部A館428

日程

13:00-14:30 酒匂宏樹(東海大)

Cayley topology and coarse embeddings of amenable groups, Part I

有限生成群を距離空間とみなす視点は語双曲群の発見など幾何学的群論の発展に寄与しました.

さらに視点を取り換えて,有限生成群の集合を距離付可能な位相空間とみなし,群を点とみなすものの見方が導入されています.

それがCayley位相です.

本講演ではCayley位相が離散距離空間の従順性(Property A)とどのように関連しているかについてお話します.

この研究は見村さんとの共同研究です.

15:00-16:30 見村万佐人(東北大)

Cayley topology and coarse embeddings of amenable groups, Part II

酒匂さんのお話の続きで,応用についてお話しします.

具体的には主に,有限環 Z/k_nZ(k_n は n による 2 以上の整数です)上の特殊線型群たちの列 {SL_n(Z/k_nZ)}_{n>2} について述べます.

これらの群たちには一様有限個の元からなる生成系として 標準的な系列が 2 通りあり,大変注目されてますが,

そのケーリーグラフたちの 振る舞いはあまりよく分かっていませんでした.

我々の理論から,振る舞いがその 2 系列で全く違うと判りました.

また,1 つの系列でパラメーター {k_n} をうまく取ると,ケーリーグラフの無限列が「広いクラスのバナッハ空間に一様に埋め込めるが,

その埋め込みの精度のオーダー(圧縮関数)は一様に非常に悪い」ようにできます.

17:00-18:30 豊田哲(鈴鹿高専)

グラフの非線形スペクトルギャップに関する最適な実現について

有限グラフ上, 距離空間への写像を考えることで,グラフラプラシアンのスペクトルギャップの非線形版として

非線形スペクトルギャップと呼ばれる量を定義できる.

近年, 幾何学的群論, 距離空間の幾何学などにおいてこの量の評価の重要性が高まっている.

この講演では, 非線形スペクトルギャップの観点から“対称な”グラフに対してはどのような写像が“最適”であるかを示し,

その結果, 多くのグラフに対して非線形スペクトルギャップの最適な評価が得られることを述べる.

この講演は, 近藤剛史氏(東北大学)との共同研究に基づく.

19:00- 懇親会

※懇親会は当日参加可能ですが、概人数を知りたいので参加希望の方はお手数ですが

高津飛鳥(takatsu'at'math.nagoya-u.ac.jp)に6/20までにご一報頂ければ幸いです。