Rigidity seminar 2013年10月25日(金)

場所:名古屋大学 理学部A館428

日程

13:30-15:00 丸橋 広和(京都大学)

コホモロジーの消滅と可解Lie群の作用のパラメータ剛性

非コンパクト連結Lie群の閉多様体への作用を考える。

作用がパラメータ剛性を持つとはその軌道分解だけで作用が共役を除いて一意的に決まってしまうことをいう。

軌道分解という弱い情報だけで作用が決まってしまうということからこれは一種の剛性である。

一般に「剛性」という現象はコホモロジーの消滅と関係が深い。

実際パラメータ剛性においても、べき零Lie群の作用に関しては、パラメータ剛性があるコホモロジーの消滅と同値になる。

この講演ではそれの可解Lie群への一般化について紹介したい。

まず一般の可解Lie群についてコホモロジーの消滅がパラメータ剛性を導くことを解説する。

しかしそこでは非可算個のコホモロジーの消滅という強い仮定が必要であり、応用する上でときに問題が生じる。

ところがある種の可解Lie群では有限個のコホモロジーの消滅だけを仮定すればよいことが、松元-三松による手法を使うとわかる。

それは体積形式を用いる手法である。しかしその手法では多くの可解Lie群については何も得られない。

そこでより広いクラスの可解Lie群に対して同様の結果を得るための新しい手法を導入し、それが有効に働くことをみる。

以上の手法に基づいて可解Lie群のパラメータ剛性をもつ作用の新しい例が得られる。時間があればそれについても述べたい。

15:20-16:50 山形 紗恵子(横浜国立大学)

群の相対的双曲性について

群 G の 2 つの部分群の族 H, K をとる.

ただし, K に属する任意の部分群に対し, それを含むような H に属する部分群が必ず存在するとする.

このとき, G が H に関して相対的双曲性をもつことと, G が K に関して相対的双曲性をもつことの関係について,

松田能文氏(京都大)と, 尾國新一氏(愛媛大)との共同研究で得られた結果を紹介する.

17:10-18:40 松田 能文(京都大学)

回転数とモジュラー群の円周への作用

モジュラー群PSL(2,Z)の円周への作用について,それぞれの生成元およびそれらの積の回転数がフックス群としての作用と等しければ

フックス群としての作用と半共役であることを紹介する.

松元およびBurger-Iozzi-Wienhardによる曲面の基本群の円周への作用のうちでの

フックス群としての作用の(有界)オイラー数による特徴付けとの関連についても触れたい.

19:00- 懇親会

※懇親会は当日参加可能ですが、概人数を知りたいので参加希望の方はお手数ですが

高津飛鳥(takatsu'at'math.nagoya-u.ac.jp)に10/21までにご一報頂ければ幸いです。