夜尿症診療ガイドライン

日本夜尿症学会の夜尿症診療ガイドラインでは夜間多尿と膀胱尿道の器質的疾患、その他の先天的疾患などを除外したうえで、治療として生活指導,行動療法と薬物療法を行うことを推奨しています.ここでは、診療ガイドラインをもとに、私たちが行っている治療について述べます.

1.生活指導;食事内容,飲水量,排尿排便習慣のコントロール,就寝時排尿の指導を行う.

    • 夕食時にはNaを多く摂らないように指導する.夕食が塩辛いと夜間の飲水量も増えますので注意が必要です.夜は牛乳を飲まない.
    • 毎朝排便をするよう、少し早めに起きる.
    • 就寝前にトイレに行く.テレビ見ながらや本を読みながら寝てしまうと、トイレに行くのを忘れてしまいます.

2.行動療法

    • アラーム療法;パンツやパッドにつけて、夜尿を感知して鳴るアラーム .夜尿アラーム療法の作用機序は,睡眠中の膀胱容量(尿の保持力)を増加させることではないかと推測されているが、正確なメカニズムは不明.
    • 排尿を我慢させ膀胱容量の拡大を目的にした膀胱訓練や、排尿を中断させる排尿訓練があります.私たちは膀胱訓練、排尿訓練は行っておりません.

3.薬物療法

    • おねしょの状態をノートや夜間尿の浸透圧で確認しながら、薬物治療を行います.抗利尿ホルモンの点鼻薬や内服薬を量を調整しながら使用します.
    • 夜間膀胱膀胱容量が減少する子や昼間尿失禁を伴う子には、抗コリン剤を使用します.
    • 生活指導でも便秘が改善しない子、抗コリン剤で便が硬くなる子には整腸剤や下剤を使用します.