業績

論文

原著論文,総説

*Corresponding Author

20. Nomaki H*, Rastelli E, Alves A, Suga H, Ramos S, Kitahashi T, Tsuchiya M, Ogawa NO, Matsui Y, Seike K, Miyamoto N, Corinaldesi C, Manea E, Ohkouchi N, Danovaro R, Nunoura T, Amaro T. 2021 (website)

Abyssal fauna, benthic microbes, and organic matter quality across a range of trophic conditions in the western Pacific ocesn.

Progress in Oceanography 195: 102591 https://doi.org/10.1016/j.pocean.2021.102591


19. Sun J†, Chen C†, Miyamoto N, Li R, Sigwart JD, Xu T, Sun Y, Wong WC, Ip JCH, Zhang W, Lan Y, Bissessur D, Watsuji T, Watanabe HK, Takaki Y, Ikeo K, Fujii N, Yoshitake K, Qiu JW, Takai K*, Qian PY*. 2020 (website)

The Scaly-foot Snail genome and implications for the origin of biomineralised armour.

Nature Communications 11: 1657. https://doi.org/10.1038/s41467-020-15522-3

† equal contribution


18. Miyamoto N*, Nishikawa T, Namikawa H*. 2020 (website)

Cephalodiscus planitectus sp. nov., (Hemichordata: Pterobranchia) from Sagami Bay, Japan.

Zoological Science 37(1): 79–90. https://doi.org/10.2108/zs190010


17. Urayama SI*, Takaki Y, Nunoura T, Miyamoto N. 2018 (website)

Complete genome sequence of a novel RNA virus identifired from a deep-sea animal, Osedax japonicus.

Microbes and Environments. 33(4): 446–449. doi:10.1264/jsme2.ME18089


16. Miyamoto N*, Wada H. 2018 (website)

Hemichordate Nervous system.

Oxford Research Encyclopedias of Neuroscience. doi: 10.1093/acrefore/9780190264086.013.204

15. Miyamoto N*, Yoshida MA, Koga H, Fujiwara Y. 2017 (website)

Genetic mechanisms of bone digestion and nutrient absorption in the bone-eating worm Osedax japonicus inferred from transcriptome and gene expression analyses.

BMC Evolutionary Biology 17:17. doi: 10.1186/s12862-016-0844-4


14. Koga H*, Fujitani H, Morino Y, Miyamoto N, Tsuchimoto J, Shibata TF, Nozawa M, Shigenobu S, Ogura A, Tachibana K, Kiyomoto M, Amemiya S, Wada H. 2016 (website)

Experimental approach reveals the role of alx1 in the evolution of the echinoderm larval skeleton.

PLOS ONE e0149067. doi:10.1371/journal.pone.0149067

後輩の古賀くんの論文.棘皮動物の骨片形成に重要な遺伝子alx1について,①alx遺伝子は棘皮動物の系統で重複したこと,②alx1遺伝子を幼生骨片を持たないヒトデの幼生で強制発現させても形態的な表現型の変化は生じないが,一部の骨片形成遺伝子の発現が上がること,などを発見.この結果は幼生骨片の進化にはalx1の異時的な発現に加え,その他の因子も必要であること,alx1の異時的な発現はそこまで不利ではなく,他の因子の発現の変化などを待つことができたのかもしれないことなどを示唆している.僕は藤谷さんと一緒に比較対象として用いたギボシムシの実験を担当.


13. Yasuda N,Miyamoto N, Fujiwara Y, Yamamoto T, Yusa Y*. 2016 (website)

Effects of food availability on growth and reproduction of the deep-sea pedunculate barnacle Heteralepas canci.

Deep Sea Research Part I 108:53–57.

奈良女子大学の遊佐さんと安田さんがメインで進めた共同研究.ホネクイハナムシを採集するために設置していた牛や豚の骨をくっつけていたフレームに付着していた深海性のフジツボの仲間ハダカエボシの成長を室内実験で調べた研究.餌の条件によって生活史に可塑性があるという内容.深海生物の飼育実験は大変です.


12. Suzuki M*, Tochigi M, Sakaguchi H, Aoki F, Miyamoto N. 2015 (website)

Identification of a transformer homolog in the acorn worm, Saccoglossus kowalevskii, and analysis of its activity in insect cells.

Development Genes & Evolution 225(3): 161–169.

昆虫の性決定を研究している鈴木さんが偶然にもアメリカ産のギボシムシ Saccoglossus kowalevskiiのESTから昆虫の性決定遺伝子であるtransformerの相同遺伝子を見つけたことから始まった共同研究.最初はシモダギボシで進めていたけど,なかなかうまくいかずにChrisの力を借りてSaccoglossuを使って仕上げた仕事.ギボシムシにおけるtransformerの機能はまだ謎.


11. Tsubouchi T*, Mori K, Miyamoto N, Fujiwara Y, Kawato M, Shimane Y, Usui K, Tokuda M, Uemura M, Tame A, Uematsu K, Maruyama T, Hatada Y. 2015 (website)

Aneurinibacillus tyrosinisolvens sp. nov., a novel tyrosine-dissolving bacterium isolated from organics- and methane-rich seafloor sediment.

International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology 65: 1999-2005.

首席をつとめたNT12-09航海で得られたサンプルをもとに,坪内さんが中心となって新種のバクテリアを記載した論文.


10. Miyamoto N* and Wada H. 2015 (website)

Hemichordates: development (version 2.0)

eLS (Encyclopedia of Life Sciences) doi: 10.1002/9780470015902.a0004110.pub2

半索動物の発生についての総説.2007に出版されたGerhart, Lowe, Kirschnerによるversion 1.0を補完する形で,主にversion 1.0出版以降のこの分野の研究についてまとめました.初総説かつビッグネームの総説を引き継ぐ形だったのでとても緊張しました.


9. Miyamoto N*, Shinozaki A and Fujiwara Y. 2014 (website)

Segment regeneration in the vestimentiferan tubeworm Lamellibrachia satsuma.

Zoological Science 31(8): 535–541.

サツマハオリムシの各部位ごとの再性能を明らかとし,さらにその再生過程を観察した研究.ハオリムシ類の再生についてはこれまでその現象が1例のみ報告されていただけであったが,その過程すべてを明らかとした最初の例となった.ハオリムシは体の後端にのみ体節が存在するという,環形動物の中でも特異な形態をしている.今回体節が存在しない領域で切断しても,後方再生の過程で体節が再生されることがわかった.この再生を用いることで,発生を観察するが困難なハオリムシの形態形成過程の研究を進めることが出来るかもしれない.

Zoological Science Awardを受賞しました!


8. Miyamoto N* and Wada H. 2013 (website)

Hemichordate neurulation and the origin of the neural tube.

Nature Communications 4: 2713. doi:10.1038/ncomms3713

我々脊索動物の体制の起源は1世紀以上も議論がされているが,未だに謎が多い.特にその名前の由来となっている脊索や神経管の由来はわかっていない.本研究では,脊索動物に近縁な半索動物の一種シモダギボシムシに,神経管や脊索に類似した組織や器官,細胞が存在するかどうか検証した.神経管の形成や領域化,脊索の性質に関わるさまざまな遺伝子のギボシムシにおける発現を解析したところ,脊索とギボシムシの前方背側内胚葉,神経管とギボシムシの襟神経索とに,共通の遺伝子発現パターンがみられた.また前方背側内胚葉ー襟神経索と脊索ー神経管との関係性にも共通性がみられた.一方で両者は体に占める位置関係や発生の由来等に相違点がみられた.以上の結果は,近接した内中胚葉組織からのシグナルによって管状の神経系を形成するというメカニズムは脊索動物と半索動物の共通祖先にまで遡ることが出来るが,両者の進化的な起源は異なるということを示唆している.今後は,今回発現パターンを観察した遺伝子の機能解析などを行い,遺伝子の制御関係や器官の誘導関係などのレベルで比較をする必要がある.博士論文のメインパートが学位取得後2年半経ってようやく出版されてほっとしています.


7. Miyamoto N*, Yamamoto T, Yusa Y and Fujiwara Y. 2013 (website)

Postembryonic development of the bone-eating worm Osedax japonicus.

Naturwissenschaften 100: 285–289.

ホネクイハナムシ Osedax japonicus の発生過程を記載し,実験室内での継代飼育を可能にしたという論文.これまでは初期のトロコフォア幼生までの発生しか記載されておらず,骨に着底して成体になるまでの過程は全くの謎であった.我々は小さな骨に幼生を着底させる方法を確立し,着底直後から継時的に観察することに成功した.また矮雄を雌に着底させる方法も確立した.これらの実験系は今後ホネクイハナムシの特殊な形態形成や共生過程を研究する上で重要な土台となる.さらに実験室内で着底させた個体が再び放卵するまでは約6週間と短く,このことは本種に遺伝学が導入できる可能性があることを示している.Naturwissenschaften 100周年の記念の年に,表紙を飾ることが出来,大変うれしい論文となった.

いくつかのサイトで紹介されました→National Geographic, Science Blog, Science Newsline, Science Daily


6. Miyamoto N*, Shinozaki A and Fujiwara Y. 2013. (website)

Neuroanatomy of the vestimentiferan tubeworm Lamellibrachia satsuma provides insights into the evolution of the polychaete nervous system.

PLOS ONE 8(1): e55151. doi:10.1371/journal.pone.0055151

JAMSTECに異動して最初の論文.サツマハオリムシ Lamellibrachia satsuma の神経系を様々な分子マーカーで観察し,①脳の形態は他の環形動物と大きく異なること,②明確な体節のない領域においても他の環形動物同様に神経の繰り返し構造があること,③背側神経索,を発見した.脳形態が退化的なのは底在性の環形動物では比較的珍しくないのと,消化管の退化による頭部周辺組織の変化が影響していると考えられる.実際に脳と食道下神経節が一つの塊になっている.表皮や中胚葉などが体節を失っているのに,神経は梯子状が保たれていることは,両者の発生メカニズムが独立であることを示唆している.しかし,その結論を出すためには今後ハオリムシの発生と近縁の多毛類の発生を比較することが必要.


5. Koga H, Matsubara M, Fujitani H, Miyamoto N, Komatsu M, Kiyomoto M, Akasaka K and Wada H*. 2010. (PubMed)

Functional evolution of Ets in echinoderms with focus on the evolution of echinoderm larval skeleton.

Development Genes & Evolution. 220: 107–115.

後輩の古賀君の論文.うちのラボで進めてきた棘皮動物幼生の進化に関する論文の1報目.僕はちょっとしたことをちょこちょこと手伝っただけ.今後の展開に期待.(後輩達による新作はこちら


4. Miyamoto N* and Saito Y. 2010. (PubMed)

Morphological characterization of the asexual reproduction in the acorn worm Balanoglossus simodensis.

Development Growth and Differentiation. 52 (7): 615–627.

ギボシムシの無性生殖過程を記載し,またパーツごとの再生能力を明らかとした論文.ギボシムシは一般に高い 再生能力が知られているが,中には自ら断片化して,その後再生することによって無性的に数を増やすことができる種類がいる.しかし,無性生殖に関しては, その現象は知られているが,その全過程を観察した例はなかった.シモダギボシムシは夏期(有性生殖は冬)に無性生殖を行っていることが通年採集によって明 らかとなったので,その過程,外部形態・内部形態ともに詳細に調べた.


3. Miyamoto N*, Nakajima Y, Wada H and Saito Y. 2010. (PubMed)

Development of the nervous system in the acorn worm Balanoglossus simodensis: insights into nervous system evolution.

Evolution & Development. 12 (4): 416–424.

ギボシムシの神経系の発生を記載した論文.ギボシムシは全発生過程(特に変態期)のサンプルを得るのが難し く,これまで記載的な研究すらなかった.この研究の結果,ギボシムシにおいては変態中に神経系が劇的に作り替えられることが明らかになった.棘皮動物の神 経系のスペシャリストである慶応大の中島先生とのコラボによって実現した研究.


2. Ikuta T, Miyamoto N, Saito Y, Wada H, Satoh N and Saiga H*. 2009. (PubMed)

Ambulacrarian prototypical Hox and ParaHox gene complements of the indirect-developing hemichordate Balanoglossus simodensis.

Development Genes & Evolution. 219: 383–389.

首都大の生田さん,西駕先生とのコラボによる論文.ギボシムシのHoxはこれまで何例か研究例があったけど,いわゆるHoxクラスターの構成要素はすべては見つかっていなかった.この研究の結果,ギボシムシにはHox, ParaHoxともに欠けることなく存在していることが明らかとなった.


1. Miyamoto N. and Saito Y*. 2007. (PubMed)

Morphology and Development of a New Species of Balanoglossus (Hemichordata: Ente ropneusta: Ptychoderidae) from Shimoda, Japan.

Zoological Science. 24: 1278–1285.

静岡県下田市で見つけたギボシムシをBalanoglossus simodensis(和名:シモダギボシムシ)として記載をしたという論文.同時に発生過程を初期発生から変態・着底まで観察した.これ以来,この種を使って研究を進めている.まさに始まりの論文.

Wordle based on common text from titles and abstracts of publications

和文(査読あり)

1. Miyamoto, N. and Saito, Y. 2008.

An overview of taxonomical study of enteropneusts in Japan.

Taxa 25: 29–36.

日本各地(伊豆半島,三浦半島,能登半島,沖縄)に採集に行って,見つかったギボシムシを報告した論文.これまで日本産ギ ボシムシは7種だったが,今回の調査を通して14種を見つけ,これまでの記録と合わせて,少なくとも日本には16種のギボシムシがいることが分かった.多 くは未記載種なので,今後記載を進めていく予定...

著書

分担執筆

2. 宮本教生.2012.

ギボシムシ.「研究者が教える動物飼育 第3巻 -ウニ,ナマコから脊椎動物へ-」針山 孝彦, 小柳 光正, 嬉 正勝, 妹尾 圭司, 小泉 修, 日本比較生理生化学会編.共立出版.

1. 和田洋,宮本教生.2012.

脊索動物.「進化学辞典」日本進化学会編.共立出版.pp. 308–313.

和文・紀要・その他

4. 宮本教生.2016.

ホネクイハナムシ−根っこでクジラの骨を食べる蟲−.現代化学.538: 30

3. 宮本教生.2015.

ホネクイハナムシの完全飼育成功から見えてくるもの.BlueEarth.136: 16–17

2. 宮本教生.2014.

海底に潜むムシから探る脊索動物の起源.JT生命誌ジャーナル.83号 (web site

1. 宮本教生,和田洋. 2013

脊索動物の体制の起源.生物の科学 遺伝 67:152–157