メッセージ Message

Coral Bleaching: How to Protect the Unique Ecosystem of Corals 

https://sj.jst.go.jp/interviewsandopinions/2022/s0404-01c.html

 研究室では、様々な環境に生息する生物の生きざまを尊重しつつ、生物と環境、人と自然との関わりについても自ら考え、楽しみながら率先して学び、伝える意思を持った人を歓迎します。

 過去数十年間での地球上の生物圏をとりまく環境の変化は、現存する生物がこれまで経験したことのないレベルに達していると考えられており、その原因の多くはこれまでの人間活動による気候変動、汚染、過剰・不適切な利用や改変が挙げられます。1990年代以降、特にサンゴ礁生態系は大規模かつ壊滅的な打撃を受け、今後も繰り返し大規模な攪乱を受けつづけると考えられています。このような背景のもと、サンゴ群集内の種構成・齢構成の変化などを正確にとらえていきつつ、劣化・衰退を促進する要素を特定しながら取り除くことが保全を進めるうえで重要です。

そのため、本研究室では、サンゴ礁域を主なフィールドとして、サンゴ礁での実地調査や、サンゴ礁生物を飼育しながらの実験、サンゴ礁の環境計測などを組み合わせた研究を行っています。アプローチとして、野外での磯調査やスクーバやスノーケルでの潜水調査、屋外水槽での飼育実験系、精密に環境をコントロールした室内実験系などによる疑問・課題解決を目指した研究を実施しています。また、室内実験や野外調査などから得られた結果を合わせて、それぞれ単独ではわかり得なかったことを明らかにしようとする点を重視しています。そのため、メンバー自身の野外での観察や実体験から得られたアイデアを基礎とした研究を推奨しています。


 その他大事なこと

<フィールド調査での安全管理を真剣に考える>

・サンゴ礁でのフィールド調査を「安全」かつ「真剣」に楽しむことができることが前提です。生物およびその環境、サンゴ礁を取り巻く人々の生きかたを尊重しつつ、真摯に向き合いながら研究をすすめること。

⇒野外での研究を行う場合は、潮に合わせてスケジュールを組む必要があります。また、台風等によるスケジュール変更にも柔軟に対応しつつ、体調管理や学業・就活・バイトなどとの調整を含めた、自己管理やスケジュール管理能力が問われます。

⇒フィールド系を希望する 学生はスクーバダイビングのライセンス(オープンウォーター・アドバンスレベル)を取得しておくことが必要です。さらに潜水士免許の取得、サンゴ属レベルでの分類の基礎を身につけておくことを期待します。

<自分で考える・記録をとる>

自ら積極的にアイデアを出し、自主的に卒業論文・修士論文に向けた研究をおこなうこと(大学院生は特に必要です)

→自分では何をやったらいいかわからないまま、ひたすら「指示待ち」する人は向いていません。

→最低週一回の論文検索をおこない、最新の情報を取り込み、適宜まとめて紹介できる人

<人とのコミュニケーション>

→自ら取ったデータを、率先して研究室で他のメンバーと議論し、内容を論文化に向けてPolishUpすることができる人

⇒琉球大学の学部学生については、研究室配属決定する3年次後期までに卒業に必要な単位(卒研・ゼミナールI/IIを除く)をほぼ取り終えていることを期待します。

 研究室所属・テーマの決定については、本人のやる気・意向を重視しています。

「なんとなく好き・なんとなくやってみたい」という曖昧な動機ではなく、出来る限り、「この生物じゃなければだめ」や「こんな現象の背景・メカニズムを知りたい」など、自身の体験や経験に基づいた疑問の答えを見つけ出すべく、具体的目標と強い動機を持ちながら、現実的な計画を立案し・実施出来る人を求めます。

サンゴの白化現象(石西礁湖、2016年)の動画

琉球大学理学部 YouTube チャンネル

マイクロアトール上に堆積した軽石の動画  2021年11月4日

琉球大学理学部 YouTube チャンネル