ポイント・釣場

漁港から釣り場までは近場で10分ほど。もっとも遠い津波見沖や鬼池沖でも20分とかかりません。近い分だけ釣りをする時間が確保できるというものですし,もしもの天候急変の場合にもすぐさま安全に帰港できることはメリットでもあります。この辺りは早崎の瀬戸に向かって潮流の速さが複雑に変化するため,その日の潮によって魚種に合わせた潮流のポイントを判断しながら船を流していきます。

好ポイントに恵まれた海域です。このエリアは冬場の北風が吹く時期でも風裏となって出港できることもあり,週末になると加津佐や口之津の船,天草の船はもとより,遠くは長崎市や熊本市,福岡県などから多くの遊漁船が集まります。本船は大型の他地域の遊漁船に比べれば,4名ほどしかお客さんを乗せない小型船(32ft,7名乗船登録)ですので,それほど遠いポイントへ出ていくことはありません。北は津波見沖から南は五通灯台付近,東は鬼池港の手前までの範囲を潮の速さと時間帯に合わせて回ります。

水深は浅いところで40m前後,深場では100m近くになります。おおむね50~80mのポイントを釣っております。早崎の瀬戸や五通灯台付近になると岩礁帯が多いので根掛かりも増えてきます。あまり速い潮のところは避けますが,ある程度は底がしっかり取れて根掛かりに対応できることがここでの釣りを楽しむためには必要です。(私も時々引っ掛けてロストします。1回の釣行で平均2個くらいでしょうか。)


主にご案内する釣場とコース(潮・時期・天候によって変更もあります)

釣場の(  )数字は大まかな水深を表します。は期待大,は望み薄を表します。


旧暦3日(または18日)前後  北西の浅場(40)~瀬詰の中(70)~西側沖(90~60)

真鯛 根魚  およその釣り時間(満ち潮3時間+潮止まり1時間+下げ潮2時間)

真鯛中心の釣り 根魚少なめ 下げ潮であたることもあり


旧暦6日(または21日)前後  加津佐沖の浅場(50)~瀬詰の中(70)~五通沖付近(80)

真鯛 根魚  およその釣り時間(満ち潮3.5時間+潮止まり1.5時間+下げ潮1時間)

大物可能性あり 潮止まりと潮の動き出しがねらい目


旧暦8・9日(または23・24日)  早崎沖の岩礁帯(60~90)~五通沖付近(80)

真鯛 根魚  およその釣り時間(潮止まり2時間+満ち潮4時間)

潮が緩いため根魚中心  季節によっては真鯛・アコウのチャンスも。


旧暦10日(または25日)  東の深場周辺(80)~早崎沖の岩礁帯(60~90)

真鯛 根魚  およその釣り時間(下げ潮2時間+潮止まり3時間+満ち潮1時間)

根魚の釣れる時間が長い 前後で真鯛・アコウの大物も可能性あり


旧暦12日(または27日)前後  瀬詰の中(80)~加津佐沖(90~60)

真鯛 根魚  およその釣り時間(潮止まり1.5時間+下げ潮1.5時間)

朝は釣れる時間が短い 場合によっては午後から満ち潮ねらいも可


本船はどてら流しではなく,スパンカー(帆)を張って風上に船を立てながら潮の流れに合わせて船をコントロールする流し釣りです。

   どてら流しだと船の片側のみで釣ることが多くなりラインをずいぶん余分に出すことになります。一方で,帆(スパンカー)を出しての流し方だとバーチカルに近い底取りができるようになり,操船しだいでは必要以上に仕掛けを回収する無駄もありません。ただし,同船者の仕掛け(ウエイト)やラインの号数をある程度揃えておかないと,一人だけ斜めに流れると,そこに他の人の仕掛けがおまつりしてしまいます。

仕掛けを落とす際に船の動きに気をつけておかないと,他の方々と違う方向にラインが流されて釣りにならないことがありますので,深場を釣る時ほど仕掛けの投入には注意したいものです。

とくに初めて本船を利用される方やこの海域での釣りの経験がない方については,底取りの仕方しだいで釣果に大きく差が出ることもあります。同船者の方々とのおまつりを避けるためにも自分のラインを真っすぐに落とす釣り方ができることが大事になります。

流し釣りですので,船を風上に立てるためにクラッチを入れて微速前進する時を利用してラインの傾きをコントロールして仕掛けを落とし,無駄なラインを出さないようにすると底取りがしやすくなります。(逆にラインが後方に流れすぎる時はスプールを押さえて落とすのを止めておきます)

やはり鯛ラバは真っすぐの状態で巻き上げた方がヒット確率が高いようです。


ターゲット(対象魚)

本船の基本的なターゲットは真鯛です。

ただし,潮がいかない時や真鯛の活性状況によってはアラカブをはじめとする根魚が多い時もあります。特に冬場の水温が下がる時期(12月~3月)はアラカブが旬で美味しい上に数釣りが楽しめることもあって,アラカブ釣りを希望されるお客様もいらっしゃいます。ポイントはほぼ同じですので,鯛ラバとアラカブ釣りの同船も可能ですが,アラカブ釣りのお客様(めったにいらっしゃいません…………)がグループで先に予約された場合は,使用する鉛の号数が違うため,アラカブ釣り優先で出港する場合もありますのでご了承ください。

また,季節によっては鯛ラバの途中で晩のおかずにアジやイカをねらう場合もあります。

真鯛は春~秋を中心にほぼ年間を通して楽しめます。(冬場は厳しい場合もあります)

ヤズやブリなども年間を通して鯛釣りのじゃまをするゲストです。

アコウ(キジハタ)はどんな潮でも釣れる美味しくてうれしいターゲットです。

アラカブ(カサゴ)はこの辺りの名物。美味しい旬は12月~3月です。

この魚だけは要注意。ひれに触れて刺されると2時間は心臓バクバクでスリリングなひと時を過ごすことになります。アラカブと間違えないようにしてください。(年間2~3匹ほど釣れます)

その日の潮回りや風の状況,あるいは最近の釣れ具合によってポイントを決定します。

同一グループで乗船の場合はお客さん方の希望や経験に応じてポイントを変更する場合もあります。

自分たちだけで釣りに出るときは,「まず鯛を釣って,それからアジを釣って,潮どまりでアラカブでも釣ろうか。」なんて離れ業はいつものことです。魚種に恵まれ,季節に応じた旨い魚が釣れるところがこのあたりの海の魅力といえます。

皆さんにもぜひこの周辺海域での釣りを,時にのんびりそして時に豪快に楽しんでいただけるとうれしく思います。