共生生物観察会

11月25日(日)の午後に、以下の一般公開企画が実施されます。どなたでもご自由に参加できます。どうぞ奮ってご来場ください。

場所:神戸大学六甲ホール (アクセスは こちら )

主催:日本共生生物学会・日本ミクロ生物研究会(ミクロ生物フェスティバル)

入場料:無料, 参加予約:不要

13:00-17:00 共生生物観察会

下に示した写真は、展示する共生生物のほんの一部です。さまざまな共生生物が皆様をお待ちしています。

15:15-15:45 手作りスマホ顕微鏡ワークショップ

みなさんのスマホが,あっという間に高性能の顕微鏡に生まれ変わります。いろんな共生生物をご自分のスマホで観察してみましょう。詳しくは こちら

身近な魚の寄生虫たち (提供:神戸大学理学研究科 新田 理人 先生)

普段よく目にする,魚屋さんやスーパーに売っている魚・観賞魚・岸辺で釣れる小魚にも,実は多様な未だ知られざる寄生虫がたくさん存在しています。この機会に,普段気にしないと目につかない,水族寄生虫の 標本を 紹介したく思います。

最近光合成をするようになった有殻アメーバ、ポーリネラ(提供:京都大学 野村 真未 先生)

細胞の中に見える青緑の構造は、最近までシアノバクテリアとして別々に生きていたことがわかっています。ポーリネラはガラスの殻をもつアメーバですが、この青緑色の光合成オルガネラのおかげで、餌を食べなくても生きることができます。

あなたの身近にもきっといる! 世界で一番成功した寄生虫? トキソプラズマ(提供:国立感染研究所 永宗 喜三郎 先生)

人類の3分の1以上が感染している寄生虫、トキソプラズマ。健康な人には病気は起こしませんが、赤ちゃんや免疫機能が落ちた人には重篤な症状を引きおこします。これから赤ちゃんを作ろうと思っておられる若いお母さん、ぜひ感染の有無をチェックして下さい。

病原性の真核微生物(提供:長崎大学 風間 真 先生、金子 修 先生) 

バクテリアではありません。ウィルスでもありません。媒介昆虫を渡り歩いてヒトや哺乳類に感染する原生生物をご紹介します。また病原真核微生物の研究者を支援しているナショナルバイオリソースプロジェクトもご紹介します。

植物病原糸状菌(提供:神戸大学 池田 健一 先生) 

人が病気にかかるように、植物も病気になります。植物病害の場合、原因のほとんどが糸状菌によるものです。病気の程度も植物を一気に殺してしまうものから、共生状態に近いものまで様々です。さらに、これら病原菌を弱らせるウイルスが存在していて、このウイルスを利用することで病気を防ぐ試みも行われています。 

植物と菌根菌の共生:二人三脚で生き抜いた4億年(提供:北海道大学 江沢 辰広 先生、河原 愛 さん)

海で生まれた植物が上陸を始めたのは4億年前。土壌から養水分を吸収するための根が未発達であった植物は、乾燥した陸の環境に既に適応していたカビ(糸状菌)の助けを借りました。それが「菌根共生」の始まりで、現在でも陸上植物30万種のうちの約75%がこの共生を続けています。根と菌の共生体を「菌根」と呼び、この共生体をつくる菌を「菌根菌」と言います。植物は光合成で得たエネルギーを菌根菌に、菌根菌は土壌中の菌糸から吸収した養水分を植物に与えるという二人三脚により、4億年間、共に進化を続けてきました。

光合成をするウミウシ(提供:京都府立大学 小保方 潤一 先生) 

浅い海に棲息するウミウシの中には、海藻の細胞質を食べ、そのなかに含まれる葉緑体だけを消化せずに自分の体表近くに保存して、それを利用して光合成をする不思議な仲間がいます。ウミウシが海藻から盗み取った葉緑体を「盗葉緑体」とよびます。この写真の数センチのウミウシは、盗葉緑体の色が透けて、体表が緑色に見えます。動物なのに光合成をする、この不思議で可愛い生き物を見てみましょう。

共生藻類を持つ緑色のミクロ生物(提供:神戸大学 洲崎敏伸 先生)

ミドリゾウリムシとかミドリアメーバとか、動物なのに植物のように光合成をする小型の生物が大集合します。このコーナーでは、共生藻類を持たない普通の原生生物も各種展示するとともに、ご希望の方にはサンプルを無料で分譲いたします。分譲可能な生物:ゾウリムシ・ミドリムシ・アメーバ・ミドリゾウリムシ・ミズヒラタムシ・ミドリヒドラ・タイヨウチュウなど。

植物の形を自在に変える超能力を持った昆虫たち~虫こぶと虫こぶを作る虫たち~ (提供:京都府立大学 佐藤雅彦 先生)

虫こぶ形成昆虫は,ホスト植物の形を変えて虫こぶを作ることで,自らのシェルターとえさとして利用しています。 本展示では,各種虫こぶと虫こぶに寄生する昆虫をお見せします。 

シロアリ共生原生生物を見てみよう (提供:理化学研究所 守屋繁春 先生)

シロアリの腸内には、シロアリが摂取した木片を消化する共生原生生物がすんでいます。これらの原生生物はシロアリの消化管内以外からはほぼ見いだされない非常にユニークな原生生物たちです。また、これらの原生生物は、その強力な木質バイオマス分解能力から、バイオマス利活用分野での応用利用が研究されています。機能的にも、応用的にも、見た目的にも「スゴい」シロアリの共生原生生物を観察してみましょう。

ラパザ ~盗むことは生きること~ (提供:福井工業大学 柏山祐一郎 先生・丸山萌 さん)

ラパザは餌藻類から奪った“盗葉緑体”を利用して光合成をおこなっています。ユーグレナの仲間独特の動きで魅せるダイナミックな捕食シーンをご覧ください。(ラパザの体調によりお見せできない場合がございます)

瀬戸内海の砂浜に棲むナイカイムチョウウズムシ (提供:広島大学  彦坂 暁 先生)

身近な海水浴場の砂の中にも、人知れず共生生物が暮らしています。 瀬戸内海に棲むナイカイムチョウウズムシという小さな無脊椎動物は、体内に共生藻を住まわせ、光合成産物によって生きています。当日は動物の展示に加えて、希望者には簡単な採集用具の配布と採集法の説明も行う予定です。

ハリガネムシとその宿主たち (提供:神戸大学 佐藤拓哉 先生・佐倉緑 先生)

宿主の行動操作をする寄生生物の代表的な種であるハリガネムシ類とその宿主を展示します! タイミングが合えば、ハリガネムシが宿主から脱出するところをお見せできるかもしれません。 

さまざまな寄生虫の標本(提供:神戸大学 入子英幸 先生)

サナダムシのように大きなものから、顕微鏡でしか観察できないような小型の寄生虫まで、さまざまな寄生虫を展示します。

以下の企画も同時開催しています。

サイエンスカフェ(第1回14:00-15:00, 第2回16:00-17:00) 

講師:入子 英幸 先生(神戸大学保健学研究科 准教授)

サイエンスカフェの詳細とお申し込み こちら まで