第5回「JAMI医用知能情報学研究会-JSAI医用人工知能研究会」合同研究会

第5回

日本医療情報学会「医用知能情報学研究会」

人工知能学会「医用人工知能研究会」(SIG-AIMED)

合同研究会

(通称: JAMI & JSAI AIM 合同研究会)

2018年3月15日(木)13:00~ 16日(金)13:00予定 1泊2日

参加費:10,000円程度(宿泊されるお部屋で費用が変動します.領収書は宿泊施設より発行されます.)

※宿泊可能な方だけのご参加に限定させていただきます.定員40名,

交流会やワークショップも予定されております.

会場:マホロバマインズ三浦アクセス情報

所在地: 〒238-0101 神奈川県三浦市 南下浦町上宮田3231

電話: 046-889-8900

■ 特集テーマ:「ヘルスケアにおける人工知能技術の応用」および「一般」

Healthcare ITという分野がアメリカを中心に確立されつつあり,センサーネットワーク・IoTの研究者が盛んに議論を始め,Springerより2017年にHealthcare ITに関するJournal(Journal of Healthcare Informatics Research: JHIR)が発刊され,IEEE EMBS, CSがそれぞれHealthcare ITに関する国際会議を開催するといった動きがみられます.本研究会はこれらの世界的動向をおさえながら日本のHealthcare ITのあり方を人工知能の立場から議論することを目的に,2015年に設立されました.

第5回目となる今回は,昨年度3月の第3回研究会と同様に,コミュニティ作りに重点を置き,羽田空港や品川駅からもほど近い三浦半島の温泉施設で1泊2日の研究会を開催いたします.お忙しいなか,ふるってご発表・ご参加いただければ幸いです.幹事一同,お待ちしております.

発表申し込み:〆切 1月20日 1月29日(月)【完了しました】

  • 発表時間は,20分 (発表 15分、質疑応答 5分) 程度を想定しています。

    • 発表応募資格は 「発表者または共著者のいずれか1人は両学会のいずれかの会員であること」とさせていただきます

■参加申し込み:〆切 1月30日 【完了しました】

    • 参加費は3名以上1室で1万円程度を予定しています.

    • 参加費には宿泊費,夕食・朝食(ともにビュッフェ),会議費用が含まれています.

    • ツイン(スイートルームのためそれぞれが個室利用),シングル(2ベッドルーム以上のスイートルームを一人で利用)の場合には最大10,000円ほど追加料金がかかります.

■抄録稿締め切り2018年 2月28日 (水)

抄録は人工知能学会 AI書庫(アイショコ)に掲載いたします(2018/3/14掲載予定).

本研究会の抄録はオープンアクセスにて公開しておりますので,ユーザ登録をせずに,閲覧・ダウンロードが可能です。

原稿提出の際は,

-メールの題目に【AIMED-2018-5:原稿】

-メールの本文に,「1.発表題目,2.著者(発表者に○),3.所属」

を入れた上でで,最終的なPDFファイルを 2月28日 (水) までに下記までメールでお送り下さい。

jami-jsai-aim [at] googlegroups.com ※ [at] を@に置き換えてください。

フォーマットについては、抄録投稿ガイドラインのページをご覧下さい。

なお、原稿のWeb上での公開について特別な配慮が必要な場合(知財権のある場合など)は、発表申し込み時にその旨をお知らせください。

■ 問い合わせ先:jami-jsai-aim [at] googlegroups.com ※ [at] を@に置き換えてください。

■ プログラム<予定>

■ 3月15日木曜日

13:00-13:05 挨拶・趣旨説明

13:05-13:25 SIG-AIMED-005-01 「深層学習を用いた医療機器に表示される数値の認識モデルの提案」

◯大槻涼(立命館大学大学院), 杉山治(京都大学医学部附属病院), 松村耕平(立命館大学),

多田昌裕(近畿大学), 野間春生(立命館大学), 黒田知宏(京都大学医学部附属病院)

本研究では、医療機器からのセンサデータ抽出を画像認識から行う手法を提案する。本手法では、カメラで撮影した機器の画像から医療機器に表示された数字をその意味とともに認識するための認識モデルを、画像中の部分数字認識モデルと得られた数字と位置座標を入力として、その数値を並び替えるエンコーダモデルの組み合わせとして定義した。そして、それらを数字認識に特化したFaster R-CNN、および、Deep Encoder-Decoderモデルの組み合わせとして設計した。本論文では、歩数計センサの数値認識を例にとり、設計したモデルの詳細、および認識制度の検証結果について述べる。

13:25-13:45 SIG-AIMED-005-02 「深層生成モデルによるfMRIデータの患者個人特徴量抽出とそれを用いた精神疾患診断」

◯松原崇,田代哲生,上原邦昭(神戸大学 大学院システム情報学研究科)

正確かつ客観的な指標に基づく精神疾患の診断は,早期発見や経過観察に重要であり,機械学習の導入が考えられる.fMRIを用いた脳機能画像による診断が試みられているが,医療データは一般的なデータセットに比べると遥かに小規模なため,柔軟なモデルを用いることが難しい.本発表では柔軟性に富む深層学習と少数データに堅牢な生成モデルの特徴を併せ持つ深層生成モデルに,患者ごとの個人特徴量を事前知識として与えることで,より高精度な診断を可能にするモデルを提案する.

13:45-14:05 SIG-AIMED-005-03 「SHACHIを用いた医療・健康情報解析」

◯藤田伸輔(千葉大学予防医学センター), 井出博生,竹内公一,相羽良寿,藤原健太郎(千葉大学病院地域医療連携部)

千葉大学では患者中心の医療を実現するため2016年8月より患者のスマホと病院情報システムを連動させたSHACHIを提供している。総務省のクラウド型EHR高度化事業により他のEHRシステムや病院情報システム等との接続し、収集したデータを解析するための研究環境をもつSHACHI-Brainを平成30年2月に完成する。病床機能報告制度により一医療機関からの情報収集では有意義な情報解析が困難になりつつある。またQOLが重視される今日、患者からのデータ収集が必要となっている。SHACHI-Brainは様々な医療機関、調剤薬局、訪問看護ステーション等からのデータと患者の生活情報を統合し、標準化されたデータベースを提供する。SHACHI-Brainでは患者の同意を随時取得でき、独立した倫理審査を行えるため、研究手続きが非常に簡便である。人工知能研究を進めるための要望を聞きたい。

14:05-14:25 SIG-AIMED-005-04 非漢方専門医に向けた漢方製剤の処方選択支援モデルの研究」

◯谷垣龍哉,今井健,大江和彦(東京大学大学院医学系研究科),吉野鉄大,渡辺賢治(慶應義塾大学医学部漢方医学センター)

現在では医師の約9割が日常診療において漢方薬を併用しているが、その多くが西洋医学の診断に基づいた、西洋薬の代替としての使用である。漢方薬の効能は、伝統医学的な診断である「証」に基づいた処方であるときに最大化すると考えられており、漢方を専門としない医師でも、適切な漢方製剤の処方が可能となるような処方支援システムが求められる。そこで本研究では、漢方専門医が患者に付与した証と、患者の問診回答を教師データとすることで、患者の証の判別を行う機械学習モデルである「証判別モデル」、ならびに判別された証に基づいた処方の推薦を行う「処方推薦モデル」の、2つのモデルを構築した。証判別モデルでは、代表的な2つの証をそれぞれ8割強の精度で判別することが出来た。また、処方推薦モデルでは、専門書より抽出した知識を利用することにより、一部の漢方製剤の使い分けに関して、7割程度の精度で判別できるという結果を得た。

14:25-14:45 SIG-AIMED-005-05 深層学習を用いた心電図波形の正常異常判定に関する研究」

◯古林せなみ,今井健,石原三四郎,藤生克仁,大江和彦(東京大学大学院医学系研究科)

本研究では複数の機械学習を組みあわせて心電図波形の正常異常判定の精度を向上させる手法を提案する。心電図波形を各周期の最大値(R波)で区切り、一枚の画像として重ね合わせた後、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)で学習することで正常範囲内・異常所見ありの2値分類モデルを作成した。また、一つの症例につき波形が第Ⅰ誘導から12種類存在するため、最後に総合的に判断できるよう、12誘導それぞれCNNの出力値を新たに学習データとし、Random Forestを始めとする機械学習モデルを用いて、アンサンブル学習を行った。その結果12誘導を個別で学習させたときの精度の平均よりもアンサンブル学習を用いて12誘導の波形を総合的に判断させた場合のほうが正解率が10%程度向上し、最終的に84%の分類精度を得た。また、偽陽性と偽陰性の出やすい特徴についても分析を行った。

14:45-15:00 休憩

15:00-15:50 招待講演 (1) SIG-AIMED-005-06

「医療分野の自然言語処理における動向 〜人工知能技術は何を変えたか?〜」

◯荒牧 英治 (奈良先端科学技術大学院大学)

15:50-17:00 ワークショップ

(17:00-19:30 チェックイン,温泉,海辺散策などの自由時間)

19:30-21:00 イブニングセッション(夕食付き)

イブニングセッション後,希望者のみで懇親会を致します.お楽しみに.

■ 3月16日金曜日 (朝食後チェックアウトを済ませて会議室に集合)

10:00-10:50 招待講演 (2) SIG-AIMED-005-07

「機械学習機能に着目した事故情報データベース活用方法の開発―医療事故事例データベースへの応用の検討」

◯坂東幸一(電気通信大学), 田中健次(電気通信大学情報システム学研究科)

10:50-11:00 休憩

11:00-11:20 SIG-AIMED-005-08 Deep Learning を用いた歯科用器具認識の試み」

◯岡真太郎,野崎一徳,林 美加子(大阪大学大学院歯学研究科)

医療安全を包括的に実現するためには、現在の医療情報システムでは不十分である。特に、医療現場の状況をリアルタイムに把握する機能が不足している事により、医療事故を未然に予測し、阻止することが困難である。そこで、個人情報保護を重視しつつ、多量の医療現場での情報を用いて的確な状況把握を行う技術への期待が高まっている。本研究では、診療中の歯科用器具の配置をビデオ撮影し画像認識により診療内容を推定する手法を開発し、その評価を行った。

11:20-11:40 SIG-AIMED-005-09 診療クラスタ遷移と医学的判断の紐づけによる敗血症治療ナビゲーションシステム実現可能性の検証」

◯山下和也(産業技術総合研究所・人工知能研究センター), 阪本雄一郎(佐賀大学・高度救命救急センター),

櫻井瑛一,本村陽一 (産業技術総合研究所・人工知能研究センター、佐賀大学)

時間変化もモデル化の対象としたpLSA手法を用いる事によってDPCデータが敗血症治療ナビゲーションとして治療戦略に有益である可能性を検証した。患者IDと治療実施日(入院日からの日数)を組み合わせた変数と治療内容でpLSAを行い患者・日数・治療内容を同時にクラスタリングしその診療クラスタ毎に死亡率・医療費・在院日数を集計した。同一患者のクラスタ時間遷移に注目すると死亡率の高いクラスタへ推移していく患者や日数経過後も同一クラスタに留まる患者等のパターンが見られた。通常のクラスタ遷移か特異な遷移パターンかを示せる可視化システムを現場の医師の意向を反映させて開発し、今後集中治療室で利用し得られる診療クラスタ遷移と医学的判断の紐づけと症例の集積によって専門家の医学的知見を取り込み成長させていくシステムの実現可能性を示した。

12:00-12:05 閉会の挨拶