大分、昔のことですが、カリフォルニア州の東側、シェラ・ネバダ山脈の中心部、ヨセミテ国立公園へ行きました。正確に言えば、連れて行ってもらったのですが。コミュニティ・カレッジのからの友人、Andreと奥さんの鈴代さん、それに友人の小笠原さんの運転です。
ヨセミテは、イエロー・ストーンと並び、アメリカで最も古い国立公園で、ヨセミテ・バレー(渓谷)と呼ばれる谷は、高さ1,000Mの絶壁、El CaptanやHalf Domeという岩壁、Yosemite Fallという滝、その他いろいろな岩壁に囲まれています。私が住んでいるベイ・エリアからは、約400km東 へ、車で5時間かかります。ヨセミテを訪れたのは、5回目ですが、バレーにテント幕営するのは、初めてです。Andre夫妻のおかげです。
ちなみにアマチュア山岳写真家であるAndreと奥さんには、前年には、同じシェラのソノラ・パス(峠)にも、連れて行ってもらいました。パスの最高地点 から、わき道へ舗装されていない悪路を小1時間、4駆車で登ったところにある、ラビット・レイクで幕営しました。この標高3,000mの比較的小さな湖に は、8月でも残雪があり、とても綺麗でした。が、山小屋はもちろん、湖以外、水場もなく、トイレも外でした。大きい方は倒木に掴まってしました。
今回は、水洗トイレ・シャワー完備のテント場です。なんていたって、ヨセミテ・バレー、日本で言えば、北アルプスの上高地でしょう。(行ったことないの ですが。)金曜日の夕方にベイ・エリアを出て、夜遅く着き、テント泊。朝、起きると、周りが、見上げるばかりの岩壁でした。木々の上に覆い被さるように岩 が見えます。高度差1、000mですから。
その日は、Andre夫妻の厚意で、私でも登れる丘へ行くことになりました。バレーから車で迂回して1時間程度、El Captanの頂上の側を通るのがタイオガ・パス(峠)です。今度は、バレーを上から見下ろす位置です。その先に目的の丘、オルムステッド・ポイントで す。丘というより岩山です。パーキングに車を止め、車道を渡れば、登攀開始です。
とはいえ、頂上まで400mたらず。岩のテラスといった感じでありました。普通の人なら、10分で登れるでしょう。私は一歩一歩、歩いて行きました。岩肌は昔、氷河期の頃、氷河の下で削られ、滑らかでした。私は、歩くといっても岩の斜面です。バランスを崩し、後戻りする事もたびたびでした。体がなまっていました。20分くらい格闘したでしょうか、もうギブアップ、Andreに手を繋いでもらって、登りました。ようやく、少し高いところに来たのか、風が気持ちいいです。でも、ここから転がったら、車道まで、止まらない感じです。そこから上部の方は、砕けた岩が散在している状態です。四つんばいで、掴まるホールドを探し、手をかけ、足ならぬ、ひざを上に移動させ、一人で登りました。気分は、フリークライミングの感じです。
.写真の後ろに小さく写っているのがHalf Domeです。風で、雲が流されているせいか、私がのろいせいか?、雲が太陽を隠します。左が日向で、右が日陰です。汗をかき、水を補給しながら、クライ ミングを楽しみました。登り始めて40分ぐらいでしょうか?頂上が数10M先に見えました。もう登りはなく水平ですが、眼下に車道が見えました。少し高い ビルの屋上から下を眺めているようです。ちょっとビビりながら、手を引いてもらい、頂上に踏みました。