研究プロジェクトの紹介

プロジェクト名:高CO2時代に対応したサンゴ礁保全に資するローカルな環境負荷の閾値設定に向けた技術開発と適応策の提案

環境研究総合推進費(課題番号:4-1907;2019年度-2021年度※終了)

研究機関:産業技術総合研究所・琉球大学・北里大学・国立環境研究所

概要:本研究では、島嶼特有の水循環と栄養塩負荷の実態を把握し、現在 IPCC によって提案されている CO2増加シナリオでの高水温・酸性化海水を想定した実験区に、ローカルな環境要因としての陸域起源の負荷(栄養塩等)を考慮した複合ストレスによるサンゴへの影響評価を行う実験系を確立し、サンゴの健全な生育を保証する環境要因の閾値を明らかにする(サブテーマ1-4)。特に、サンゴの生活史維持において重要であり、かつ環境応答指標として定量化に優れている、サンゴ石灰化に着目した影響評価を実施する。加えて、骨格重量測定や顕微鏡観察のような既存のサンゴ石灰化評価手法に、ゲノム情報の拡大に伴い利用可能となってきた、各種石灰化関連遺伝子に着目した新規の遺伝子マーカー開発と適用を検討する(サブ1)。また、遺伝子解析によるバクテリア負荷の詳細解明も検討する(サブ1・3)。島嶼特有な環境負荷の実態を明らかにするため、応募者らによる長年の野外調査の実績があり、人為的活動の影響が顕著に異なる場所(与論島・沖縄島・慶良間諸島・石西礁湖)での地下水及び沿岸海域の栄養塩等の調査を実施し、飼育実験での条件設定に反映させる(サブ2)。また、栄養塩濃度だけでなく、総量(負荷量)や石灰質の底質に蓄積した栄養塩(蓄積型栄養塩)がサンゴ石灰化に大きく影響を及ぼすことが明らかになってきているため、濃度に加えて、野外での蓄積型栄養塩負荷の詳細を明らかにする(サブ3)。これらのアプローチから得られた数値を用いて、CO2増加シナリオに沿ったサンゴ石灰化-環境パラメータモデルを構築し、石灰化能の増減を基に、環境負荷の閾値を浮き彫りにする。また、全球的なデータが利用可能な海水温・炭酸カルシウム飽和度(酸性化海水の指標)に、栄養塩の指標としてクロロフィル量を用いることで、複合ストレスによる石灰化影響を地理的に可視化し、各地域で求められるローカルな環境負荷の閾値(基準値)を提案する(サブ 4)。

2022年2月

琉球大学にて公開講座を行いました(詳しくはこちら)。

演題「熱帯・亜熱帯沿岸域を中心に海洋ベントスの集団構造を俯瞰する」


2022年1月

沖縄県立向陽高校にて環境科学の講義をしました(詳しくはこちら)。


2021年3月

下記研究成果のプレスリリースが行われました。産総研からのプレスリリース記事はこちら

Iijima M, Yasumoto J, Iguchi A, Koiso K, Ushigome S, Nakajima N, Kunieda Y, Nakamura T, Sakai K, Yasumoto-Hirose M, Mori-Yasumoto K, Mizusawa N, Amano H, Suzuki A, Jimbo M, Watabe S, Yasumoto K. Phosphates bound to calcareous sediments hamper skeletal development of juvenile coral. Royal Society Open Science 8:201214. 2021.


2020年12月

沖縄県立向陽高校にて環境科学の講義をしました(詳しくはこちら)。

2020年11月

アドバイザリー会合を開催しました。


2020年3月

沖縄県立八重山高校にて環境調査の講義と実習をしました。

2020年1月

沖縄県立向陽高校にて講演会をしました(詳しくはこちら)。


2020年1月

アドバイザリー会合を開催しました。


2019年12月

沖縄県立向陽高校の生徒達に環境調査の概要を説明しました(詳しくはこちら)。

2019年11月

サイエンスアゴラでの水の環プロジェクトとの共同イベントに参加してきました。


2019年5月

キックオフ会合を開催しました。