う蝕治療マネジメント

「ICDASが可能にする患者中心のう蝕マネジメント」

この図は、N.B.Pitts先生編の「Detection, Assessment, Diagnosis and Monitoring of Caries」の表紙になっています。

一見複雑そうですが、よく見て下さい。この図は、新しいう蝕のマネジメントについて、整理されていることがよくわかります。

「統合」と訳している部分は英語では「Synthesis」という言葉で書かれています。

ICDAS Code、エックス線診査コードやカリエスリスクなどから機械的に診断するのではなく、知識と臨床経験や患者さんと相談して歯科医の頭で考えることが大事(図中の写真のとおり)であると、2011年のORCAで会ったときPitts先生は説明してくれました。

また、図の右側にある矢印、これを行うにはメンテナンスシステムが医院に必要です。このような体制を整えることが「う蝕マネジメント」を成功させる「要」と思うのですが、Pitts先生も「まさに、そのとおり」と同意してくれました。

オレンジの枠にある「活動性」についてですが、これについての確固たるエビデンスはまだ確立していないようです。

私たち臨床医は、メンテナンスシステムがあれば、活動性については、時間の経過の中で病変の変化の有無を診査することができるので、あまり重要な診査項目とは思っていません。

大事なのは、定期的に行う、ICDASの視診Code・エックス線撮影・リスクアセスメントです。

SynthesisについてPitt先生とLongbottom先生の説明 2011年ORCA Kaunasにて