ICDASとはInternational Caries Detection and Assessment Systemの略称で、国際的なう蝕研究者グループが提唱している新しいう蝕の診査システムです。
私は、2006年1月にN.B.Pitts先生が来日した時に、はじめてICDASを知りました。ICDASについての講演を聞いたとき、これは一般臨床医にとてもいいシステムだと思い、私の医院にも導入したいと考えました。現在(2013年1月)、私の医院では、主に永久歯萌出から20歳代までについては、ICDASによる診査と記録を行っています。他の年代についても、ICDASによる診査コードが医院の共通言語になっています。
ICDASを開業医が導入するメリットは、次の3つです。
1)う窩になる前のう蝕病変を「的確に表現して記録」できる。
2)う蝕病変について「院内の共通言語」になりう蝕治療の質の向上を図れる。
3)う蝕病変について「患者さんと共通理解」ができるようになる。
ICDASは、視診による新しいう蝕病変の診査コードですので、導入するためには、基本的な事柄を勉強する必要があります。はじめは、ちょっと面倒に感じるかもしれませんが、いったん覚えてしまえば、実に便利な診査コードであることを実感できるでしょう。
このサイトは、ICDASについて、歯科医療関係者が各自で、あるいは、院内勉強会で活用していただくために開設しました。ひとりでも多くの方が、ICDASを臨床で活用して、来院する方々のお口の健康増進に役立てればと考えています。
杉山精一