HLC例会

例会の開催は、決まり次第HP・ML等でお知らせいたします。

「言語と人間」研究会 7月研究会 2024

日時:2024年7月13日(土)14時30分~16時30分
場所:立教大学池袋キャンパス 10号館3階 X301教室 ※オンライン同時配信
参加費:無料

※会場参加・オンライン参加の別を問わず、参加を希望される方は、7月11日(木)までに、以下のフォームにて事前申込をお願いいたします。

【参加申込フォーム】
https://forms.office.com/r/833c35gHR3 


<研究発表1>

新家理沙(筑波大学[院])
「提案種別における話し手の表現選択-初対面・年齢差のあるアメリカ英語母語話者の協働関係構築に着目して-」

 提案は、聞き手のネガティブ・フェイス(縄張り、個人的領分、邪魔されない権利に対する基本的要求)を脅かすフェイス威嚇行為(face-threatening acts, FTA)として挙げられている(Brown & Levinson, 1987)ことからも、相手に自分の考えを明示すると同時に自分の考えを押し付けて相手の領域に踏み込み気分を害する危険性を伴う行為である。このことから話し手は提案を行う際に、「受け手との親疎関係(初対面であるかそうでないか)」や「受け手との上下関係(年齢や立場の違いの有無)」の影響を受けながら適当と考えられる言語表現を選択していると考えられる。
 本発表では、初対面で年齢差のあるアメリカ英語母語話者2者が複数のカードの並び替えを通して協働で1つのストーリーを完成させる課題を行う談話(課題達成談話)を取り上げる。なかでも提案場面に着目し、カードの追加やカードの変更等発話される提案を目的別に分類し言語表現の使用の関連性について分析を行う。また、各提案種別内における年齢が上の者・下の者の言語表現の選択に関する特徴を明らかにし、課題達成談話の提案時における話し手の持つ受け手との関係性の捉え方について考察を試みる。

<研究発表2>

山田奎裕(杏林大学[院])
「非明示的オクシモロンが含意する対義性の認識過程に関する一考察」

 「オクシモロン」と呼ばれる言語現象がある。この言語現象は、佐藤 (1992 [1981]) の言葉を借りれば、「本来なら両立しない対義概念を、いわば強制的につないでしまう」表現技法である。具体例として、「不幸な幸福」(芥川龍之介『或阿呆の一生』) や「汚らわしい美しさ」(堀辰雄『美しい村』)、「集団的にして個人的」(オクタビオ・パス『弓と竪琴』) などが挙げられる。
 ひとくちにオクシモロンとは言っても、Shen (1987) が指摘するように、明示的オクシモロン (the “direct” oxymoron) と非明示的オクシモロン (the “indirect” oxymoron) という2つの形態を区別することができる。これら2つの区別は、表現の主要構成語間に認められる対義性の純粋さに由来する。前者は、「近くて遠い」のように、純粋な対義関係にあると思われる2つの語を主要構成要素として成立し、一方で後者は、「生きた化石」のように、純粋な対義関係にはないと思われる2つの語を主要構成要素として成立する。
 本発表では、現代日本語における非明示的オクシモロンを対象とし、当該形態を構成する主要語間の対義性認識について、どのような基準で対義性の判断・認識が行われるか、換言すれば、どのような認知過程を経て2つの語の間に対義関係が構築されるのかを考察する。 


【アクセスマップ】

https://www.rikkyo.ac.jp/access/ikebukuro/qo9edr00000001gl-att/img-accessmap_ike_new.pdf
【キャンパスマップ】
https://www.rikkyo.ac.jp/access/ikebukuro/qo9edr00000001gl-att/img-campusmap_ike.pdf 



「言語と人間」研究会 3月研究会 2023

日時:2023年3月23日(木)14時~16時
場所:杏林大学井の頭キャンパス(※オンライン同時配信)


参加を希望される方は、3月21日(火・祝)までに、以下のフォームから申し込みをお願いいたします。
会場の詳細、Zoomミーティング情報は、参加申込者宛に、3/22(水)にメールでお知らせいたします。


【参加申込フォーム】
https://forms.office.com/r/FgcinKQJfK


発表は以下2件を予定しております。

【発表1】

野村佑子(順天堂大学)、植野貴志子(東京都市大学)

「登場人物を指示する『自分』―語り手の『自己拡張』」

本研究は、コーパス・データ(「ミスター・オーコーパス」の日本語母語話者が絵カードを用いた物語を説明するナラティブデータ)を使用し、あるストーリーの登場人物を指示して高頻度で用いられる「自分」について考察する。本発表の論点は、(1)語り手は「自分」を用いることによって複数の異なる視点を同時に取ることが可能になる、(2)「自分」とは、語り手の「自己拡張」によるものである、の2点である。


【発表2】

鈴木一存(杏林大学非常勤講師)

「視覚的メカニズムによるメトニミーの説明可能性を求めて」

Bierwiaczonek(2013)はメトニミーの直接の神経的基盤を脳神経のシナプス結合に求めた。また 、Regier(1997)・Talmy(2000)・Lakoff(2008)などは、視覚的空間位置情報の脳内転写メカニズムであるトポグラフィック・マッピングとメタファーとの関係性を指摘した。脳神経のシナプス結合によって意味が動機づけられ、そのシナプス結合の少なくとも一部は網膜上に光学的に投影される外界の視覚情報を反映しているという可能性を考慮すれば、言語的意味は脳神経経由で視覚的情報の影響・制約を受けていると考えても自然であろう。そして、網膜によって受容される外界の視覚的情報は、視覚的メカニズムに影響・制約を受ける。視覚的情報の特性のみならず、その視覚的情報を受容・統合する視覚的メカニズムという動的側面をも考慮してはじめて、言語の意味の形成メカニズムをより一層精密に解き明かすことが可能となるのではないだろうか。本発表では、輻輳開散運動 (convergenceand divergence)・中心周辺拮抗型受容野(center-surround antagonism in receptive fields)・マイクロサッケード(microsaccade)といった実際の視覚運動・視覚構造を例にとり、適宜英語・日本語をはじめとするメトニミーの実例を参照しつつ、メトニミーにおける意味の多様化の運動・意味の構造と実際の視覚運動・視覚構造との間の構造的類似性を浮き彫りにし、視覚のメカニズムによるメトニミーの説明可能性を探る。


本件問い合わせは、研究会事務局までメールでお願いいたします。
皆様のご参加をお待ちしております。


追伸:

対面会場は、杏林大学「井の頭キャンパス」です。医学部付属病院がある「三鷹キャンパス」ではございませんのでご注意ください。
駐車場・自転車/バイク置き場はありません。公共交通機関でお越しくださいますようお願い申し上げます。

アクセスマップ:https://www.kyorin-u.ac.jp/univ/access/inokashira.html
キャンパスマップ:https://www.kyorin-u.ac.jp/univ/student/campus/inokashira/

「言語と人間」研究会 講演  2022

日時: 2022年12月27日(火)15:00-16:00

場所: 杏林大学井の頭キャンパス(※オンライン配信あり)

タイトル:「躓きの石、要石、あるいは、現代人類学における<コミュニケーション>のかくも長き不在」

発表者:浅井優一(東京農工大学)

アクセスマップ:https://www.kyorin-u.ac.jp/univ/access/inokashira.html
キャンパスマップ:https://www.kyorin-u.ac.jp/univ/student/campus/inokashira/