HLCセミナー

【HLC 2023年度春期セミナー】

テーマ:AIの普及と多様化する辞書メディアの役割

日 時:2024年3月21日(木)
会 場:杏林大学井の頭キャンパス ※「シンポジウム」はオンライン配信有り

概 要:
◆シンポジウム(10:00-12:00):対面開催(オンライン配信もいたします)◆

パネリスト(順不同・敬称略):
 高橋さきの(翻訳者・お茶の水女子大学非常勤講師)
 木村 一彦(大修館書店)
 荻野真友子(株式会社kotoba)
 関山 健治(中部大学)

◆ワークショップ(13:30-15:30):対面開催のみ◆

講師:
 高橋さきの(翻訳者・お茶の水女子大学非常勤講師)

※本ワークショップは、シンポジウムの内容も踏まえ、講師と参加者の双方向でのアクティビティやディスカッションなどが行われる参加型の内容です。アットホームな雰囲気で講師や参加者と交流することができますので、お気軽にご参加ください。

参加費:無料

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会場/オンラインの別を問わず、参加を希望される方は必ず事前参加申込をお願いいたします。

締切は2024年3月18日(月)です。

【参加申込フォーム】
https://forms.office.com/r/10j3NEK7Yu

会場やZoomミーティング情報等の詳細は事前参加申込者にメールでお届けいたします。
皆様のご参加をお待ちしております。

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プログラムの要旨

◆シンポジウム(10:00-12:00):対面開催(オンライン配信もいたします)◆

パネリストと発表タイトル(順不同・敬称略):

・関山健治(中部大学):『辞書メディアの変遷とAI時代の辞書:ボーンデジタルの辞書をめざして』

GIGAスクール構想によるタブレット端末の学校教育現場への導入や新型コロナウイルスの影響を受け,冊子辞書や電子辞書専用機といった従来型の辞書メディアが苦戦を強いられている。深層学習による機械翻訳やChatGPTなどの生成系AIの急速な普及もあり,辞書を取り巻く環境は予断を許さない状況が続いているが,これからの辞書はAIをはじめとした新たな技術とどのように共存していくのであろうか。本発表では,デジタル辞書独自の編纂方法を用いることで,利用者にとって使いやすい辞書を作るにはどのようにすればよいかを提案したい。

・木村一彦(大修館書店)『学習英和辞典のこれからのかたち』

電子辞書が普及し始めてから紙辞書を取り巻く環境は大きく変化し、近年、学校への端末の導入に伴い、辞書アプリやWEB辞書への移行が進むかと思われていた。しかし、Google翻訳や、ChatGPTをはじめとする生成AIなどの急速な普及により、辞書そのものへの需要も急速に変化している。学習英和辞典において、その変化への対応を模索している現状を報告する。

・荻野真友子(株式会社kotoba)『いま、辞書はどこにあるのか』

さまざまな形態の「辞書」があるなかで、あらためて(主に日本語一言語辞書を対象に)「辞書」を構成する要素を整理する。また、これにより、いま求められている辞書の役割を考える契機としたい。さらには、現在「辞書」として使われているものがどうあるべきか、作り手の側からも使い手の側からも考える機会となれば幸いである。

・高橋さきの(翻訳者・お茶の水女子大学非常勤講師)『生成AI時代の執筆翻訳と辞書:英和・和英文-文活用辞典の紹介をかねて』

かつては人間のみが行う作業として語られてきた「執筆・翻訳」ですが、2023年春ごろから生成AIによる執筆・翻訳が一部実用化したことで、「執筆・翻訳」についても概念・用語体系の整理・見直しを迫られており、それにともなって、辞書をめぐっても、「どんなときに」「どのように」辞書を引くかといった基本に変化が生じています。今回はそのあたりについて整理を試みたいと思います。2022年秋に訳書として出版した文‐文対訳活用辞典『アカデミック・フレーズバンクそのまま使える!構文200・文例1900』についても、そうした枠組みのなかに位置づけつつ紹介します。

◆ワークショップ(13:30-15:30):対面開催のみ◆

講師:高橋さきの(翻訳者・お茶の水女子大学非常勤講師)

概要:『アカデミック・フレーズバンク』所収の対訳例を用いて、辞書の記載について考えます。文末表現「~がある」について用例カードのキットをご用意しましたので、手を動かしながら、一緒に検討してみましょう。